1997 大型二輪免許奮闘記

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規制緩和で、昔は試験場での一発試験しかなかった二輪の限定解除が、自動車学校で大型二輪として教習を受けることができるようになったというのは、前に聞いたことはあったんですが、なんせ四国の田舎です。最初は大型二輪教習をやっている教習所も少なく、入校が3ヶ月待ちでたいへん!とかいうテレビのニュースを見たりして、まーそのうち、人が少なくなったらとりに行こうかなー。と考えてました。で、最近、ちょっとしたきっかけで高松自動車学校をのぞいたら、すぐにでも入校できるって話だったので。バイクを買う資金はないものの、まずは免許だけとっておこうというわけで、大型二輪教習にチャレンジとなったわけです。


自動車学校に入校

10月4日の土曜日に入校して、説明を受けたんですが、大型二輪は300人ぐらいの卒業生のうち、ストレートで卒業したのは十数人しかいない、普通二輪(昔の中型二輪です)とは、判断基準がまったく違うから、普通二輪に毛が生えた程度と思ったら大間違いです。と言われて、もともとへたくそな私は、だいぶ、びびらされました(じっさい十分シビアでした)。 

第1段階

第1段階は、重いCB750を押して歩いたり、ひっくりかえしてから起こしたり、センタースタンドをかけたりする取り回しです。ものすごい重さを想像してたんですが、センタースタンドなんかは意外に軽くてびっくりしました。昔の400ccより軽い感じですね。残った時間で、適当に走ってバイクに慣れなさい。というありがたい配慮で、他の教習者のじゃまにならないよう気をつけながら走ったんですが、ここ数年、軽いオフバイクしか乗ったことのない私にとって、オンの750の運転感覚はとっても重く、ハンドルが遠いうえにハンドル幅が狭いのもあわさって、ひぃひぃ言いました。普段は、クラッチは指2本、フロントブレーキは指1本でアクセルと共に同時操作しているので、両方とも4本で握って操作するように直すのは苦しかったです(^^;。

第2段階

第2段階は、二輪専用のコースだけを使っての教習です。8の字やクランク、一本橋、スラローム、波状路など課題走行をつないで走り、安全確認の位置などを指導員に教わります。

「確認が不十分」「目線が近い」「ひじが上がってオフ乗りになってる」などなど、最初はボロボロでした。課題走行では、スラロームでテンポよくバイクを切り返すことができずに、結局ゆっくりしか走れず、7秒の規定時間をオーバしてる状態でした。
途中からバイクはFXZ750に変わり、なんとか慣れたぐらいで、2段階の最終テスト。スラロームが遅いことが指摘されたものの、なんとか合格。

第3段階

第3段階は、4輪コースも含めた検定と同じコースでの教習となります。このへんからチェックが相当シビアになってきます。進路変更などは、完全に一定速度で顔が後ろを向くぐらいの後方確認をし、前を向いてから(途中で進路をかえてしまうとふらつきととられます。シビア!)、そのままの速度で進路をかえ、かえたらスムーズに加速。交差点で横断歩道の安全確認や、ウインカー点灯の長さ(3秒以上)を細かく注意されました。なんせ、進路変更する距離が極端に短い場合、超低速でふらつかず、しかも一定速度で安全確認からウインカー操作までをこなさないといけません。重いバイクではふらふらしがちなんですが、それが許されません。このへんの基準が普通二輪とまったく違うところです。

そうそう、750の有利な点もあります。それは急制動。車体が重いので止まる距離は物理的に不利なんですが、アクセルひとひねりで簡単に指定速度に達するので、速度をだすことにプレッシャーがないのとブレーキのタッチや性能がいいので、感覚的に止めやすいということです。40kmからの急制動でのプレッシャーはそんなにありません。ただ、私の場合(たぶんみんなだと思いますが)普段、急ブレーキをかけるときは、反射的にシフトダウンするクセがあって、走行中のギアでエンジンブレーキを最大に生かして止める(つまり、クラッチは停止直前まで触るな)ということになかなか慣れませんでした。

で、3段階の最終テスト。憶えはじめのコースでのテストになるので、早めに行ってコースを歩いて、安全確認やウインカーのタイミングを覚えました。苦手のスラロームもなんとかコツをつかんでのチャレンジで、見事合格。

第4段階

第4段階は、基本的には検定用のコース(2コースあります)を、交互に練習しますが、その合間に課題走行の時間測定(一本橋、波状路、スラローム、急制動)があります。それぞれ3回のチャレンジで、一本橋は最初の2回は限界までゆっくり、最後の1回は規定時間(大型は10秒以上です)を満たして安定して通過します。ゆっくりいって13秒ぐらいで、だいたい12秒ぐらいはコンスタントにいける感じなのでちょっと速いかな?という程度で10秒でしょう。

波状路は、規定時間が5秒以上と十分に余裕があります。ゆっくり走ると9秒ぐらいで、たぶんダダダッと走っても5秒はかかるでしょう(^^; 。これも、最初2回をゆっくり、最後の1回は規定を満たして安定して通過します。
                                  
私の苦手のスラロームは、規定時間は7秒以内。ゆっくりハンドルで曲がるのでは、7秒を超えてしまうので、ちゃんと倒し込んでタイミングよく切り返す必要があります。これは、最初の2回はできるだけ速く、最後の1回は規定内で走るというものです。ステップの踏み込みと、ハンドルで倒し込みのきっかけをあたえ(曲がる方向の逆へハンドルをちょっときって倒し込みます)、あとはアクセルとリアブレーキの組み合わせでタイミングよく切り返えすことで6秒ちょっとで通過できました。

急制動は30km、40km、50kmの指定速度で3回チャレンジします。50kmの場合、指定の白線では止まれないので、止まれるところを判断して停止します。ま、これはたいしたことはありません。

4段階で最も面白いのが、バランス&限界教習です。ウインカーなどの合図は無しで、走行位置も気にしなくていいから、他のバイクとぶつからないよう最低限の安全確認だけして、教官の走りをマネしてついてきなさいというもの。教官についていくため、遠慮なくアクセルをあけて、急加速、急減速。750のけとばされるような加速を初めて体感しました。交差点を倒し込んでまがったり、狭い道で目一杯倒し込んで急旋回とか、ぐるぐる小さく8の字を回ったり、コース外のダートをスタンディングで走ったり、スタンディングのまま、一本橋の超低速走行やクランク走行。スラロームを逆から(曲がりにくい方向から)入って、ギュンギュン倒し込んでの切り返しなど、おもしろい!の一言です。

楽しんだ後に、4段階の最終テスト。検定用のコースを全部使ってのテストで、基準は検定よりシビアです。加速減速のメリハリをつけ、きっちり丁寧に走ることで、減点0で完璧に合格。この感じで走れたら検定も合格だ。と太鼓判をおされました。

検定試験

2日後の緊張の検定では、試験中止項目では絶対にミスをしないように、ゆとりをもってチャレンジし、これまた見事合格。晴れて三百数十人中、20人ぐらいしかいないストレート合格者の仲間入りとなったのでした。
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