EcoFlow EFDELTA

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幸運なことにEcoFlowのEFDELTAをしばらく試せる機会を得た。

EFDELTAは去年発売されたEcoFlowのフラグシップモデル。1年前の製品だけど位置付けは上位機種。X-Streamの高速充電はEFDELTAが元祖。残念ながらWiFiとかスマホアプリには対応してない(IoT家電な機能はRIVERから)

RIVER Pro一式を購入したばかりなので比較テストには最適。個人的な目線で使い倒しつつ使用感やRIVER Proとの違いを探ってみる。

普通のレビューはネット上にゴロゴロしてるのでそっち参照。私のレビューは誰ともかぶらない。主観たっぷりの変な方向からぶった切る。



RIVER Proのページでも書いたが、個人的にRIVER Proぐらいのサイズ感が好み。手軽に運べてこそポータブル電源の使い道が広がる。

EFDELTAはRIVER Proに比べて明らかに大きく重い。持ち運びや取り回しの気軽さではRIVER Proにだいぶ負けるはず。


左がEFDELTA、右がRIVER Pro(本体)の重さ。
(RIVER Pro用のエクストラバッテリーは7.25kg)

本体だけ勝負なら取り回しはRIVER Proが圧倒的。エクストラバッテリーのセットだと総重量はRIVERの方が少し重い。ただ、2つに別れるので実際のところ扱いは楽。

EFDELTAの14.2kgは軽くはないけど成人男性なら許容範囲。普通の腕力があれば意外と運ぶのに困らない。想像してたよりは手軽に運べる。ちょっと意外だった。体感的な部分は現物を使ってみないとわからんもんだな。


ポイントは片手で持てるか?って部分。EFDELTAは両側に取っ手がついてて両手で持ち上げる想定になってる。普通に動かすには両手で持てば問題なく動かせる。でも、ドアはどうやって開ける?開けて外に出て閉めるときは?

下に置いてドア開けて両手で持って外に出て、また下に置いて、、、そういうちょっとした無駄な動作がウザイもの。14.5kgの重さは一時的なら片手で持っても特に問題ない。ドア開ける時だけ片手で持てる。EcoFlow的にはお勧めしない持ち方だとは思うが、、、

サイズと重量的は思ってたほど致命的でもない。そうなるとジワジワとEFDELTAの優位性が出てくる。


普通の人が気にするのはAC100Vの出力できる大きさ。

RIVER Proは、
「定格600W、サージ1200W」

EFDELTAは、
「定格1600W、サージ3100W」

大人と子供。勝負にならない。コンセントの数が出力の違いを主張してる感じ。

ただし、RIVERにはX-Boostという必殺技がある。消費電力1200Wまでの家電を600Wの能力で強引に動かせる。「動かせる家電」という切り口ではある程度ごまかせる。強引に動かせること自体が凄いのだが能力は落ちる。本来の能力で使えるという意味ではEFDELTAの方が圧倒的。

でも、最高出力が大きいのはいいことばかりでもない。AC100Vインバーターの変換効率は定格の半分あたりが最も高い。RIVERなら300W、EFDELTAなら800W付近。そこから下がっても上がっても効率は落ちる傾向。50Wぐらいの電力を長時間使う場合はRIVERの方が有利。最高出力が大きいインバーターのジレンマ。

バッテリー容量としては、
RIVER Proは、
「720Wh+720Wh=1440Wh」

EFDELTAは、
「1260Wh」

エクストラバッテリーとの合計ではRIVER Proの方が大きい。消費電力が少ない家電を長時間使う場合はRIVERが有利。少し使うだけなら分離して本体だけ運べるので取り回しは圧倒的。

逆に大電力の家電をガツンと使う場合はRIVERでは役に立たない。X-Boostでごまかして使える範囲ならセーフだがその領域を越えると使えない。そんな用途でEFDELTAが真価を発揮する。問答無用で1600Wまで本来のパワーで動く。

要するに製品として上下の関係ではなく、何に使うかで選ぶモノ。使う主体が大電力ならEFDELTA、小電力ならRIVER。RIVERはX-Boostで動かせる家電の幅を広げてるのがミソ。絶対的なパワーが不要であればRIVERでほぼカバーできてしまう。


EcoFlowのポータブル電源を語る時に外せないのが充電。X-Streamという名前の特許申請中の高速充電の仕組み。ACアダプター不要で接続はAC100Vケーブルのみ。


説明書の入力スペックはこんな感じ。

1年前だとポータブル電源はACアダプターで充電するモノだった。100WぐらいのACアダプターが付属して90Wぐらいで充電される。500Whのポタ電だと6時間ぐらいかかる計算になる。suaoki G500もそんな感じ。

それが常識だった頃にEFDELTAは1200W充電だった。1260Whを2時間でフル充電というのを見て驚いた記憶がある。まさかリアルに試せる機会が巡ってくるとは思わなかったが、、、実際に空から充電すると2時間1分で満充電になった。恐ろしいぐらいのの入力性能。

RIVERはその半分の600W充電。EFDELTAがスゴすぎてインパクト薄れるが600Wでも異様なレベル。本体とエクストラ合計の1440Whを3時間以内でフル充電する。そんなポータブル電源は他にはない。

ただし、この充電パワーは理解して使う必要がある。EFDELTAの充電はホットプレートを最大出力で使い続けるのと同じ。許容量を超えると家のブレーカーが落ちたり配線加熱のリスクがある。

EFDELTAやRIVERにはちょっと変わった特徴があって、
「充電中はAC入力とAC出力が直結になる」

たとえば500Wの家電をAC出力で使っていたとする。その状態からEFDELTAやRIVERのAC100V入力をコンセントに接続する。するとインバーター経由だったAC出力は入力コンセント直結に切り替わる。それと同時に充電が始まる。

ということは、使ってる500Wの負荷は入力コンセント側にかかる。充電電力+500Wが入力コンセントにかかることになる。

RIVERだと家電500W+充電600W=1100W
EFDELTAだと家電500W+充電1200=1700W

めっちゃヤバイ。タップケーブルなんか使ってると溶けかねない。それ以前にブレーカーが飛ぶ危機。合計電力をよく考えて使う必要がある。

EFDELTAは低速充電のモードって無いのかな?説明書見た限りではわからなかった。RIVER Proは静音充電ってモードがある(スマホアプリで設定)。ONにすると100W充電に制限される。

100W単位ぐらいで任意の充電W数を切り替える機能が欲しいところ。コンセント側の制限で200Wまでとか300Wまでとかになってると使えないし。EFDELTAは1200W充電だけなので融通きかない。しっかりした電源環境がないとAC100V充電できない。


ポータブル電源のアピールでよくある絵だが、こういう用途ではどのポータブル電源も似たようなモノ。接続の便利さはポート数が多い方が有利。長期間この状態を続けるならバッテリー容量が大きい方が有利。

あとはUSB-Cの最大電力の規格とか気にするのはその辺ぐらいか。EFDELTAのUSB-Cは最大60Wでちょい低い。RIVERは100W対応。

個人的に気に入ったのはシガーソケット出力のサージ耐性。RIVERもEFDELTAも普通にカー用品が動く。当たり前のように思えるが、suaoki G500では動かないカー用品もあった。スイッチ入れた時のノイズ的なサージで止まったり。冷蔵庫も脈絡なくたまに止まる(結果的に使い物にならない)

RIVERとEFDELTAはそんな動きがまったく出ない。どこまで耐性があるのか不明だが今のところ動かないカー用品はない。優秀というかこっちが基準か?


EFDELTAはソーラー入力のスペックも凄い。
「10-65V DC10A(最大400W)」

最大400Wとな!ただし電流値は10Aまで。つまり能力を引き出すにはパネル構成が重要になる。写真はうちのトレーラー設置の平置き並列パネルに接続した状態。171Wで充電されてる。

75W+75W+80Wの並列接続のソーラーパネル。合計で230W相当なのだが問題は電圧。12V系への充電用なので17.8Vぐらいと低い(この時代はMPPTは無かった)。つまり電流値が高いことでW数を稼いでる。最高で13Aぐらいを出力して230W相当になる。しかし、EFDELTAの入力は10Aで制限かかる。結果として170Wちょっとぐらいが上限になる。

ちなみにRIVER Proは、
「10-25V DC12A(最大200W)」

上限Wは半分だけど電流は12Aまでいける。つまり、うちのトレーラー設置のパネルだとRIVER Proの方が有利。EFDELTAのソーラー入力の最大能力を引き出すにはパネル直列で電圧を高める必要がある。この辺のソーラー構成と充電Wの関係は色々と奥が深いので後日詳しく語る予定。

※ソーラーパネルの方に書いた。DFDELTAはちゃんと400Wで入る


EFDELTAの最大の利点は大電力を必要とする機材が使えること。定格1600W(サージ3100W)の威力は圧倒的。この出力を頼りにする用途ではRIVER Proは使い物にならない。EFDELTAでないと動かせないという世界。

写真のスライド丸ノコ。丸ノコ単体ならRIVER ProのX-Boostで動いたやつ(少しパワーダウン状態で)。EFDELTAだと当然ながらフルパワーで動く。それだけではない。吸塵用のバキュームも同時に動かしてる。消費電力は1300W付近でサージは3000W近い。本気作業用のフルセットを丸ごと動かせる。

「圧倒的じゃないか」(ギレン風)

なんか世界観が変わった。なんだこの快適さは、、、動かせるモノ、動かせる組み合わせを考える必要がほとんどない。


モーター負荷としてサージがしんどそうなコンプレッサー。こいつも平気で動く。もはや動かないモノを探す方が難しい。


これは無理かも、とケルヒャーの高圧洗浄機を持ち出した。定格1.3kW、ダイレクトに加圧モーターが動くからサージもでかいはず。が!、あっさりと動いた。

「ええぃ!EFDELTAは化け物か!」(シャア風)

今のところうちにある機材でEFDELTAで動かせないモノは見つからない。正直、ポータブル電源としての能力は化け物レベル。当然ながらこの3パターンはRIVERでは動かない。

大きさと重さで先入観として敬遠してたがこの方向もアリ。なんというかポータブル電源ということを意識しなくなる。電源の無い場所にフルスペックの家庭用電源が現れた感じ。

家の周辺で機材使う時は長いリールケーブルで引きまわしてた。家のAC100Vを使えるものの配線抵抗で電圧降下してどーしても能力落ちる。それがEFDELTAを使うとすぐ横でキッチリ100Vを出してくれる。リールで引き回すよりも圧倒的に快適。

EFDELTAを実際に使ったことでだいぶ価値観変わった。本当の意味で家庭用電源と同じレベルってことには大きな価値がある。でも、RIVER Proの考え方もサイズと重量という意味で価値は大きい。

用途が何か?どう使う想定なのか?で選ぶモノ。余力があるなら両方持ってて使う用途で使い分けるモノ。そんな感じ。

まだしばらく借りれるので随時過酷に使い倒しつつ気づいたことを追記する予定。


【追記】2021.3.4 UPSな動きと複数台連携

DFDELTA(RIVERも同じ)の充電入力とAC出力の関係は、オフラインタイプのUPS(バックアップ電源)の動きと同じ。なので商用電源のバックアップとしても使える。

ただし、切り替えタイムラグがやや長いので瞬断が発生する。さらには停電復帰後に「使ってる電力W+充電1200W」が発生する。やや無理があるのでUPSとして使うことは推奨されてない。でも、その特性を利用すると連携して大容量電源っぽく使える。


AC出力を別のEFDELTAのAC入力につなぐ。最後のEFDELTAのAC出力を使用する家電につなぐ。

条件として、

「満充電してる状態で接続」

EFDELTAからEFDELTAへの充電が発生すると大騒ぎになる(AC出力がオーバーして止まると思われる)。厳密に言うと(1)だけは満充電でなくても問題ない。

家電側から見ると(3)のAC出力を使う。
(3)はAC入力が入ってるので入力と出力は直結。
(2)のAC出力を使ってることになる。
(2)はAC入力が入ってるので入力と出力は直結。
(1)のAC出力を使ってることになる。
(1)はAC入力無いのでバッテリー使ってAC100Vを出力。

(1)のバッテリーが空になるとAC出力が停止。
(2)のAC入力が無くなるのでバッテリー使ってAC100Vを出力。

(2)のバッテリーが空になるとAC出力が停止。
(3)のAC入力が無くなるのでバッテリー使ってAC100Vを出力。

(3)のバッテリーが空になるとAC出力が停止して終了。

という動き。家電側から見ると3780Whのオバケ電源として使える(切り替え時の瞬断は発生する)。

理屈的にはもっと台数繋げれるけどタップのタップになるから構成上良くない。説明書では3台まで、となってる。このつなぎ方はRIVERも可能。使用家電が600W以下ならDFDELTAとRIVERの混在でもできる。

一時的な利用には面白い。でも容量の為に常時使う構成ではない。それぞれにインバーターがあるの無駄だし充電も困る。

そんな流れで、RIVER Proのエクストラバッテリーが出てきたんだと思う。外部にバッテリーだけ追加できればいい、でも単純にバッテリー接続ってだけでなくインテリジェント制御。エクストラバッテリー側にも温度センサーやら色々入ってる。外部バッテリーの状態監視しながら本体側から充放電をコントロール。残量差のある状態で接続しても最適制御。

うーむ、ポータブル電源の世界は奥が深い。というか技術も考え方も進化の真っ最中って感じ。


【追記】2021.3.9 個人的に気になる内部電圧を深掘りする


DFDELTAのユーザーズガイドを見てたら「技術仕様」に興味深い情報があった。バッテリー容量の1260Whの横に50.4Vとある。


18650タイプのセルが使われてるようだ。三元素リチウムイオンなのでセル電圧は3.6V。どうやら14セルを直列にしてる。2500mAhのセルだったとすると14本の直列で50.4V×2.5A=126Wh。EFDELTAは1260Whなので10本の18650セルを並列にしたモノを14セット直列につなげた構成と思われる。計算あってるかな?

興味深いのは50.4Vの高電圧。セルを直列に接続して管理するのは難しいと言われている。セルバランスが崩れないように高度な制御が必要になる。Eバイクの36Vバッテリーは10本直列。それよりさらに多い14本直列。進歩してるなぁ、と。まーテスラとかのEVはもっと高電圧だろうけど。

で、50.4Vの高電圧だと何が良いのか?電圧が高いと同じ電力(W)を扱った時に電流が少なくなる。電流が少なくなるとジュール熱が少なくなる。配線発熱が抑えられ配線での損失が減る。大きな電力を使うときには非常に重要。

内部の基本電圧は基礎体力のようなモノ。電圧が高ければ基礎体力が高い。車系とかの12Vバッテリーに縛られてない強み。

ただし1つだけ弱点がある。内部が50.4VなのでDC12Vの出力はDC-DC変換で作り出すしかない。ゆえに高出力の12Vは作れない。EFDELTAのシガーソケット出力は13.6V 8Aの108.8W。

でも、その弱点もよく考えるとほぼ問題ない。そもそも12Vで100Wを超える電気製品を使うことに無理がある。DFDELATAは基本電圧が高いからACインバーターの効率もいい。高電力の電気製品を12Vにこだわる必要はなく家庭用の100V家電を使えばいいだけの話。

そう考えると12V出力で使いたいのは照明とか小電力のモノに限定される。小電力の降圧DC-DC変化は高効率。12Vバッテリーベースに比べて高い効率で電力を無駄なく使える。

今後はこの考え方だな。12Vバッテリーはもうやめとこ。


【追記】2021.3.15 EFDELTAの欠点


良いことばかり評価してもウソくさいので欠点も暴く。

EFDELTAには大きな欠点がある。それはAC100V充電が1200Wでしかできないこと。普通の家庭用電源があれば問題ないが供給容量の少ない電源では充電できない。

他の電気製品が電力を使っていて1200Wではブレーカーが落ちる状態だったら?充電に使える発電機が900Wだったら?どちらも充電することができない。

低電力でAC100V充電をする選択肢がない。RIVERは静音モードがあるので100W充電の選択肢がある。ただし、RIVERでも600Wか100Wの2択なので使い勝手が良いとはいえないが、、、任意のW数で充電できる機能が欲しいところ。

そしてEFDELTAはIoT対応じゃないのでスマホアプリで操作できない。ゆえに細かい設定ができない。ディスプレイの表示時間を調整したりとかオートパワーオフの時間を任意に設定したりもできない。充電停止のバッテリー量を設定することもできない。遠隔操作もできない。RIVERと比べると痒いところに手が届かない。

ただ、その辺の機能が非常時の電源利用で障害になるかと言えばあまり影響はない。おそらくソーラーからの入力が最大400Wとか1600Wまで平気で電気製品を動かせる利点の方が上回る。

欠点があるからRIVERって選び方じゃなく、1600Wの出力が必要だとか1200Wの高速充電が必要って目的でEFDELTAを選ぶもの。その目的ではRIVERは選択できない。欠点を承知の上でEFDELTA一択になる。

欠点を理解しとくと運用で回避できる。そういう意味で知っておくことは大事。



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