2024 サイクルモードライド大阪

トップ > 自転車の話 > サイクルモードと試乗の記録 > 2024 サイクルモードライド大阪
2024.3.3


今年も万博公園へやってきた。もはや必須イベントになってしまったサイクルモード。この季節は寒いか暖かいか年によって差が大きいけど今年は寒い。今日はまだマシだけど土曜日は極寒だったようだ。


いつもあえてサイクルモード会場から離れた場所から万博公園に入ってる。歩きが長くて遠いんだけど広大な万博公園を楽しむのも目的のうち。この空間がわりと好きだったりする。


メインはサイクルモードなので黙々と歩いて通過するだけなんだけど、こういう絵を見ながら歩くこと自体が楽しかったりする。


そして定番の梅まつり。今日は青空で太陽出てるから写真映えする。


圧巻の太陽の塔。実際に見るとパワー感がすごい。この迫力は写真では表現できないなぁ、サイクルモードのついでで毎年見れるのはかなりの贅沢。


まずは受付。ちょっと出遅れたので行列なし。


リストバンドは真っ白な紙に番号書いただけのモノ。なんか見た目が簡素になった。


会場に入る。


結構混んでるなー。でもコロナ前ほどではないか。天気予報を見て日曜日を狙った人が多いのかも。


さて、いつものパターンでまずはBESV。今年もまた異常な数の試乗車持ってきてる。車種多いのに同一車種を複数台用意して乗せる気満々なとこが良いねぇー。百聞は一見にしかず。説明するより乗せた方が早い。ツボる人は乗ったら価値観が変わる。Eバイクとはそういうモノ。できるだけ多くの人に試乗させる戦略は理にかなってる。


お目当ては新型E-MTBのTRS 1.3。今までのTRS2系は在庫限りで終わりなので事実上の後継モデル、なのだが、、、このE-MTBの設計にBESV JAPANが関わってないのでまったくの別物。TRS 1.3はBESV EUが設計したEU市場向けのモデル。そのフレームを使って日本用に再構成してる。

EUでのBESV TRS 1.3の位置付けは「老舗メーカーのE-MTBと対等に扱われる本気E-MTB」になっているようで、すごい数を販売していてかなりの実績がある。それを日本に持ってきた状態なのでフレーム性能は間違いないのだが、性能以外の部分で個人的にはうーん、、、


まずはスペックで衝撃を受ける。重量26.3kg!バッテリーは635Whに容量アップしてるが504Whとの重量差は700gぐらい。TRS2AMが23.2kgだからバッテリー重量差を除いた差は2.4kg。この2.4kgの重量増はいったい何?

29インチだからタイヤやホイールも多少重くなってそうだけど大半がフレームの重量増のようだ。とにかくフレームがゴツい。なにもかもが強度優先のガッチリした太さや肉厚になってる。どうもEUのE-MTBはこういう方向らしい。激しい走りをするからか、軽量化よりも強度という設計思想。

たぶんEUでは少々重くてもフルパワーのEP8でアシストするから気にならないし、押し上げもWALKモードがあるから問題ない。なので強度優先の方向と思われる。でも日本では減衰式のE8080と組み合わせるしかなく、WALKモードもない。どーしてもミスマッチ感がある。


リアサスリンクのガッチリ感やダウンチューブとドライブマウント付近のゴツさはかなりのモノ。個人的にはもっと肉厚落として軽量化して欲しいが、EUフレームを使う事情ではどーにもならんな。リンクの構成とフレーム三角の空間が大きくてボトルが楽々入るのはマル。


バッテリーカバーは別体になってる。が!カギはなく手で操作できるラッチだけで脱着。カバーは手ぶらで盗めるぞ。そしてバッテリー本体もカギではなく六角レンチでの固定(ねじ込みではなく回すとロックが外れる)。お話にならない。六角レンチ持ってると一瞬でバッテリー盗める。これでは怖くて駐輪できない。JAPAN側でカギ化できないか考えると言っていたが、、、

635Whのバッテリーは従来の504Whバッテリーを長く伸ばした形状。バッテリーの端子と差し込み部分の仕様はTRS2と同じだが車体側の充電端子は形状が違う。電気的には同じだけど端子仕様が違う感じ。この辺もEU仕様の呪縛か?

バッテリーの長さが違うのでTRS2の504Whバッテリーは使えない。フレーム内のマウントを504Whの長さにあうモノに交換すれば使えるっぽいがバラす必要があるのでどちらか専用になる。504Whを3本も持ってる身としては共用できる仕組みが欲しかった。


そして電源ボタンはトップチューブ上。トップチューブバッグが使えんじゃん。サスストローク的にサドルバッグも使えないので工具や小物を運べない。TRS2はフレーム横の電源ボタンで便利良かったのに退化してる。

USBもなぜか上向についてる。こんなとこに付けたら端子とケーブルは上へ向かって飛び出るし雨で水も入る。俺ならトップチューブ裏とか直接雨が当たらずケーブル飛び出しがジャマにならない場所に隠すけどなぁ。

カラーリングとかもEUそのままなのようだが、色はともかくトップチューブにモデル名ってどーもなぁ。EUのセンスはよくわからん、、、


EU版をボロクソに言いすぎてもいかんので良いところも。本気フルサスモデルだけどサイドスタンドの穴が用意されている。これはマル。ブレーキホースはリアフレームの中を通るようだ。スッキリするしブレーキホースを接触で痛めてオイル漏れてトラブった身としてはこうあるべきだと思う。

価格はまだ決まってないけど70万を切るぐらいを想定してるとのこと。630Whバッテリー、12S、ドロッパー付きの構成を思えばがんばってる方か。

 TRS 1.3 試乗


舗装路コースとダートコースの両方で乗った。EUの最新本気ジオメトリーは舗装路低速でのハンドル操作がねっとりして違和感を感じる。29インチとフォークが寝てるのでそんな体感になるようだ。速度出してる時やダートでは気にならない。慣れの問題か。

26.3kgの重量級の車体は走ると気にならない。走ってる限りではTRS2との重量差は体感できない。29インチ効果なのか舗装路での速度のノリは良い。TRS2よりも車体的に良く走る感。平坦路ではE8080でも特に不満はない(すぐに加速してアシスト外になる)。


サスの感触はショックが固めにセッティングされてたのでイマイチよくわからず、、、個人的には柔らかめが好きだからなぁ。リアの動きは固いセッテングなりにも動き良さそうな雰囲気はあった。ショックもサンツアーの安いやつだし、この辺は自分好みのショックユニットに変えた上でセッティングを煮詰めないとなんとも評価しがたいが、EUで他社と対等評価なのでTRS2よりレベルが高いのは確実。

総じて、29インチの本気E-MTBとしてはアリ。EUでの実績と評価があるのでトレイルやコースでは価格以上のポテンシャルがある。舗装路を走った感じでもTRS2よりよく走るので、私のような9割以上は舗装路を走ってるような使い方でも高い性能を発揮すると思われる。630Whなのでロングや高い山でも1本で動ける範囲が広がる。高性能なE-MTBとしてコスパは高い。これから買う人には選択肢の1つ。

でも個人的には街乗りにも使うのでNG。すでにTRS2に乗ってるのでE8080が変わらないと乗り換え対象外という事情もあるが、それ以前に使い勝手の問題が多すぎる。JAPAN側が設計に口を出せないとこうなってしまうのか、、、ちょっと気遣いして設計すればマルチに使える最強マシンになるのになぁ。せめてバッテリー脱着がカギ対策されることを願いたい。

こうやって細かい文句つけてると、こんなE-MTBを山以外で使う人なんていない、って言われがちだが、いやいやこの俺がいる。なぜか専用化したがる人が多いけど、ただでさえMTB乗る人少ないのに山専用化して対象ユーザー減らしてどーすんじゃ!普段乗りがメインだけどたまに林道にも入りたい、ってぐらいのライト層まで対象にして台数増やさないと未来はない。日本では街乗り対応は重要な要素。

そもそもMTBは山専用って言う人ほど重いとか高いとか言ってE-MTB買わない。買う人、買える人を対象にしないと台数出ない。台数出ないと日本の意見は通らず負のスパイラル。TRS 1.3はEU設計そのまんまだけど日本で展開してくれるだけマシ。ホントに売れなくなるとE-MTBそのものがラインナップ落ちしてしまう。

これからE-MTB考える人はTRS 1.3も候補にどうぞ。MTBとしての性能はEUで評価済み。使い勝手は他社も同じ。TRS2が良すぎただけ。日本版の本気E-MTBとしてはコスパ高い。

 SMALO LX2 試乗


ハイテクを詰め込んだSMALO。Bluetooth接続で専用Appでの管理、GPS、4G、AI、E-Shift、E-Lock、盗難防止アラーム、オートライト。IT機能てんこ盛りの未来派自転車。技術的には既存の組み合わせだけどBESVが作ったってことが大きなポイント。サポート体制がしっかりしてるから安心して乗れる。



方向性は面白い。ハイテク好きとしては興味深々。実際乗って色々試すと自動変速はまだまだ熟成度が足らん。速度と傾斜の条件で勝手に変速するからペダル踏んでるのに突然ギヤが変わってクランクがカクッと空回りになってしまう。これって変速の判断にペダルトルクも見るべきだよな。ペダル踏み続けてたら変速を少し待ってトルク抜けた瞬間を狙って変速とか、もっと体感を良くする制御が必要。

ライトは当然オートライトでフレームの先端に内臓。CF1 LENAみたいな感じ。スペック300ルーメンだったかな?カットラインは出てる。速度の表示はハンドルステム部分に内蔵されてる。カッコイイんだけど個人的にはスマホマウントが困るのでビミョー。

スマホアプリとの連携必須だし、この方向性の自転車ならスマホマウントもデザインを考慮した上で純正オプションで用意して欲しい。ワンアクションで脱着できて装着したらスマホ充電される、とかなるとスマート。GPS+4G通信の最強な位置情報とかE-Lockは使うと戻れなくなる機能だと思う。

細かいツッコミどころはあるけどこの方向で熟成を重ねれば、新世代の便利な街乗り自転車になりそうで面白い。SMALOで技術を育てて便利な部分を他の車種にもフィードバックしてほしい。

 SMALO PX2 試乗


SMALOのミニベロ版。こっちはE-Shiftが無いだけなのだが、外装シフトなのでリアハブモーターの構成(SMALO LX2はフロントハブモーター)になってる。フレームデザインがちょっと違うだけでほぼPSA1と同じように見える。


PSA1とよく似てるが実際にはだいぶ違う。バッテリーは互換性なし。PSA1のバッテリーは本体側のカギで脱着と電源ONを兼ねていたが、SMALOのはバッテリー側のカギは脱着のみ。電源ボタンは車体トップチューブ上にある。アシストモードはスマートモードのみ。ラッパマークのボタンは電子音でのベル(でも法律上のベルには該当しないので別装着のベルがいるようだが、、、)。

このラッパボタンの位置はEUではWALKモードのボタンのようだ。そっちの方がいいなぁ、WALKモードを解禁させる働きかけをやってくれー。電動キックボードがOKでWALKモードがダメなのは矛盾がありすぎる。

思うのだが、もうSMALOはアシストOFFにする必要ないでしょ?って気がする。電源入れたら常にスマートアシストONでいいのでは?切り替えのボタンもいらない。ライトもテールもなにもかもフルオート。電源入れるだけでフルオートで快適に走れる、ってスタンスの方がシンプルだと思う。

で、走行感はPSA1と同じだろと思いながら乗ったのだが、めっちゃレスポンスいい&滑らか!なんじゃこりゃー。PS系で気になるビミョーなレスポンス遅れが感じられない。いったい何をした?どうやらSMALOはコントローラーが違うようだ。たぶん新設計のコントローラーで制御タイムラグが消えたんだろな。この制御いいなー。PS系も設計しなおしてくれ。

個人的には実用SMALOとしてはPX2がオススメかなぁ。見た目ではLX2だけど乗るとPX2になる。アシストの体感がとても良くて乗り心地もサスのあるPX2の方が好印象。試乗って大事。


TRS 1.3でだいぶ話し込んでしまったので時間消えた。また後で舞い戻ることにしてBESVを離脱して次へ。


 WIMO COOZY Light(サンプル版) 試乗


別に注目してたわけでもなんでもない。ブランドも自転車モデルも知らないのだが、このデザインに見覚えがあった。よくあるシティサイクルミニベロ系のEバイクだけどデザインが特徴的でおしゃれ。せっかくだから乗ってみるかー、という程度のノリで試乗。


前後のフェンダーやライトは標準装備、カゴとリアキャリアはオプション。フェンダーのカラーとかバッテリー部分のフタとかは、これはサンプル車なので製品版と少し違うようだ。

乗ってみてビックリ。なんだこのスムーズさは。ほぼ無音でガチャガチャ感が皆無の高級感。アシストも良いトルク感でレスポンス遅れもなくパワフルで心地いい。なにより静か。ベルトドライブだからチェーン周りで音や微振動が無いのが効いてるのかも。それに加えてモーターの音が耳に入らない。

スペック的にはバッテリーは252Wh。表示ディスプレイはハンドル橋にアップルウォッチぐらいのサイズのカラー液晶が付いてる。アシストは3段階。そして本体は折りたたみじゃないが、ハンドルポストが折りたためる。これがかなりポイント高い。車への積載の敷居が一気に下がるし、賃貸で部屋の入口に自転車入れておきたい場合に自由度が上がる。

ハンドリングの安定性は及第点だけど街乗りミニベロのアシスト感としてはとても良い。ワイヤー類はフレーム内を通ってるし、デザインもオシャレなのでVOTANI Q3とぶつかるEバイク。アシストレスポンスはVOTANIより良かった。

 WIMO COOZY 試乗


トップチューブのあるタイプも乗ったが、こっちはよくあるこの手のアシスト。アシスト感は特筆することなく及第点以下。Uフレームの方が新モーターやコントローラーらしく、こっちのは古いまま。モーター音もしっかり聞こえるしパワー感もほどほど。Lightと比べてアシストとして体感の差はかなり大きい。

ジオメトリーが違うのかハンドリングはこっちの方が落ち着きがあって安定してた。ただしハンドルは畳めない。現時点では新しく追加されたUフレームの方がEバイクとしてレベル高い。てか、こっちにも新しいユニット採用するしかないでしょ、って思うが、在庫とかの都合でそう簡単にはいかないんだろうなぁ。Eバイクは電気系が変わると見た目同じなのに下剋上がおきるから怖い。くどいが試乗は大事。



気がつけば結構な時間。腹へったので一旦会場から離脱。出入り口ゲートはGOOD YEAR。自転車に関係あったっけ?


コロナ前以来の久しぶりのサイクルキッチン。


いろいろ食べて腹いっぱい。太陽出てるけど冷たい強めの風で寒い。特に風がうっとおしい食べ物の袋やトレイが飛ぶ。サイクルキッチンって風でモノが飛ぶ印象が強いな。季節的にそういうパターンなのか。


余裕があったらアウトドアのイベントも見たかったがもはや時間がない。食ったら即座に舞い戻る。



次はこれ。カーゴバイクのSTREEK。試乗予約入れて整理券もらっていたが想定時間ピッタリで乗れるわけでもなく待つしかない。


赤い展示のが1台と試乗用が2台。赤いのは最初の頃の試作車かな?


ウッシュボーンサスにショックが付いてる。


試乗用のはカーボンの板みたいなので構成されててシンプルになってる。

 STERRK 試乗



ドライブユニットはシマノのE6180、トルク的にE8080の方がよかったのでは?という気がしなくもない。重い荷物積んで激坂登坂とかはE8080のトルクが欲しくなりそう。大きな荷物があると荷物に隠れてフロントタイヤはあまり見えない。妙に遠くにある印象。

走行は慣れが必要。基本的にバンクでバランスをとりつつ曲がる。低速時はついハンドルでバランスとろうとしてしまうが、ハンドル(だけを)切るとフラつく。当たり前なのだが視野的に2つの前輪が見えてるからつい車っぽくやってしまう。ハンドル切るならその分を同じ方向にバンクさせないとバランス崩してしまう。少し乗れば慣れるけど初乗りでは体がいうことを聞かない。

乗り物としてだいぶ別物感。前輪が通るラインが普通の自転車と大きく違うので凄く違和感がある。なんかいろいろとタイミングが違う。これで普通自転車サイズってのがおどろき。乗って走ってると大きく感じるけど前輪が前の方にあるから錯覚するっぽい。

Eバイクとしては重い車重にE6180なのでガツンとしたパワー感はない。必要十分なアシストをスルっと加えてくれるって感じ。荷物積んでの激坂登坂は厳しいかな?荷物含めた総重量ではTRS2AM+COHO XCとほぼ同じ(STREEKの方がもっと積めるから重くできるけど)。過酷ルートだとE8080のトルクが欲しくなりそう。

いろんな意味で普通の自転車とは違う別物な乗り物。不思議な面白さがある。



さて、本気の自転車乗りは興味を示さない系も乗っておこう。なんか今年はタイヤ太い系の出展が増えてるな。

 ROCKA FLAME MAKAMI 試乗



タイヤの太いオートバイ風のEバイク。乗ってはみたもののうーん、、、これを自転車として乗るのは根本的に無理がある。フレーム幅とシート形状がペダルを回せるようにできてない。ペダル回すとシートが太ももに当たる。

アシストは発進時など超低速からは唐突で少し速度が出ると弱々しくなる。アシスト制御に滑らかさはない。車重と太いタイヤの抵抗でもっさりした走行感。ハンドルが高い位置にあってフラつきやすい。タイヤのエアボリューム大きいけどサスが無いので乗り心地は固い。そしてペダルは超回しにくい。

さすがにこれはオススメしない。



XROSSのブースがあったので乗ってみる。元ホンダの技術者が開発したって触れ込みだったE-MTB。リアサスの感触がいいって話だった。

 XROSS 試乗


乗った。ふつーに乗りやすいE-MTB。バッテリーが外付けでフレーム三角にボトルエリアはない。

リアサスは確かによく動く。ショックを自分好みに煮詰めれば好みのリアサスになりそうな感じはする。軽快感もあるし悪くないがEバイクとしての構成がもはや古臭い。インチューブバッテリーでボトル空間を作って欲しいところ。


折りたたみタイプのタイヤ太い系を乗っておく。

 YADEA HNT-0 試乗



よくあるタイヤ太い系の折りたたみEバイク。ハードテール構成&固そうなキャストホイールなのだが、サドルが沈み込むようなギミックがあるようでフロントサスと合わせて乗り心地はわりとマシ。走行感はもっさり。アシストでカバーされているが速くは走れない。Qファクターも大きくてペダルも回しにくい。

先に乗ったMAKAMIよりはだいぶマシだけど、これらは自転車だと思って買うモノではない。外観に惹かれたらまずは試乗してから考えるべき。乗って楽しいモノではない。

去年はこの手の折りたたみミニファットとしてEMOTORAD XPLORERを試乗したけど、あれの方がもうちょいマシだったように思う。どれもEバイクや自転車としては超低次元な位置付けではあるけど、その中でかなりの上下幅がある。とにかく乗って試して判断すべき。

個人的にはオススメしないが、、、



最後はHONDAのSmaChari。早い段階で試乗予約を入れておいた。SmaChariは既存自転車に後付けするアシストユニット。ただし、現時点では最初から自転車に装着して完成車として型式認定を取って売ることしかできない。これは日本の型式認定の問題。

で、SmaChariに興味深々なのはこれをHONDAがやってるということ。そしてこの型式認定の問題をどーにか崩そうとしていること。企業母体が大きいから影響力として期待できる。

前々から言ってるけど型式認定は自転車丸ごとでやるべきではなくドライブユニットで型式認定するべき。理屈的にどんな自転車に取り付けようがドライブユニットが同じであれば出せる出力は同じ。そういうルールにすればグレード別に型式認定が必要だから費用的に1グレードしか展開できないとかってアホみたいなことがなくなる。

そしてドライブユニットで型式認定ができれば、SmaChariユニットのような後付けドライブユニットの未来が開ける。思い入れあるけど乗らなくなった人力自転車をEバイクとして復活させれるのは結構面白いと思う。

そういう話をスタッフにすると話が通じる。現時点ではルールの壁で無理だけど将来的にはそういう方向を目指そうとしてる、ってことが期待大。がんばって欲しい。

 HONDA SmaChari 試乗



乗ってみた。うーん、、、Eバイクとしてはダメダメだ。アシスト感は弱くてECOモードで走ってるような感じ。制御も滑らかではくアシスト感にムラがある。AIモードだからかな?と思って設定でフルパワー&レスポンスアップしてみたけど、ちょっと変わっただけで似たようなモノ。

この体感をヨシとして開発してたら話にならんぞ。開発陣は他社のEバイク乗って比べてないだろ。スマホで走行軌跡出したり凝ったことしてるけど、そこに力を入れる前にまずはEバイクの体感として他社と同じレベルを追求して欲しい。


試乗の感想は私の主観です。人によっては逆の意見もあるでしょう。実際のところは自分で乗って体感してください。1つ言えることは乗ったことのない人が言う話を信用してはいけません。乗ると先入観が吹き飛ぶことはよくあります。乗ってない人にわかるはずがありません。試乗して体感することが最も重要です。



最後にまたBESVブースに戻ってきてくだくだ。もう耳にタコができてるだろうけど電源取り出し口を作ってくれ、って話とかグリップヒーターの話とか。USB端子の話とか。片付け体制で忙しいのにだいぶジャマしてしまった。

グリップヒーターはUSBから電源取ろうと考えてるっぽい話だったけどW数が足りないと思う。うちの運用実績では10℃付近の気温で12Wぐらいで適温。5VのUSBだと2.4Aのフル出力で12Wなのでこれが上限になる。これ以上寒い環境だと暖かくはなるが出力が足りない、って領域になる。実際のところ手の適温を保つには5℃環境では18W、0℃環境では25Wぐらい使ってる。

12V端子を基準に考えた方がいい気がするな。端子差し替えで12W上限のUSB運用も可、って感じにするとか。

グリップヒーターも明るいライトも消費電力が大きいので結局は電源ラインの確保の話に行き着く。USBで頑張ろうとしても複数アクセサリを同時に使う時点で想定が崩れてしまう。12V 5Aってのはその辺から出てくる数字。SUPER NOVAのライトをハイビームにして18W、グリップヒーターで20W使って、さらにiPhone充電で10W。そんな状況でも足りる。

こういうの実際に使い倒してみないと見えてこないんだよなぁ。


会場を離脱して帰る。夕暮れ時の太陽の塔。やっぱすげー迫力だ。


ぐんぐん冷えてくる公園内を出口に向かってテクテク歩く。

今回はハブモーターにまだ進歩の余地があるってのが新しい発見だった。モーター自体の静音化とコントローラーの高速化と制御技術の進歩で体感がかなり変わる。こうなってくるとハブモーターのEバイクは見た目ではまったく判断できない。電気系の作りの違いからくる体感の差が激しすぎるので試乗必須。

BBタイプのドライブユニットはつまんなくなったな。シマノは化石のままだしヤマハのドライブユニットは良いけどMT-PROだけ。パナのユニットもパナだけ。ボッシュはそもそもサイクルモードに出てこない。グローバルでは進歩競争してるのに日本ではそれを体感することができない。なんだかなー。


今年はBESV10周年だそうでステッカーもらった。2017年のPSA1、2019年のTRS2AMで自転車遊びが大きく変わった。それにしてもBESVの新しいカテゴリを切り開く意欲は凄いと思う。安いVOTANIを追加したと思ったら次はハイテク高級車のSMALO。もはや全部で何車種扱ってるのかわからん。凄いメーカーになったなぁ。

今回のサイクルモードでいろいろ試乗して体感を書いたけど、実際に買うとなると大きな壁がある。販売店とアフターサポートの問題。ブランドからホームページ探して確認してみるものの、BESVのレベルでアフターが安心できそうなブランドは無い。保証期間ぐらいはアテになっても数年後に電気系パーツの交換修理ができるのか?バッテリーを買い直せるのか?ってなるとビミョー。

試乗体感の良し悪しだけでは買えないのがEバイク。購入を考えてる人は保証期間後のアフターサポートをイメージして決断してください。電気系が壊れたら使い捨てでは高くつきます。保証期間後に有償修理できるかどうかは大事なポイント。

トップ > 自転車の話 > サイクルモードと試乗の記録 > 2024 サイクルモードライド大阪
2024 サイクルモードライド大阪 COPYRIGHT 1996-2024 E-NAYA
Powered by WPMS