フルデッドニングで静音化

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2024.06.09


元々そんなに静かな車ではなかったけど最近は高速走行時の騒音が目立つようになってきた。22年モノなのでいろんな箇所の経年劣化の影響もあると思われる。ショックやスプリング周りのゴムパーツは去年新品に交換したので突き上げ音はだいぶマシになったけど根本的に車内ノイズは高め。ETCがいろいろ喋るのだが高速走行中は何言ってるのが聞き取れない始末。

まだまだこの車に乗り続けないといけない状況なので気合いを入れてできる限りのデッドニングと静音化をやることにした。やるなら徹底的に。車体全部をフルデッドニングして断熱材や吸音材も徹底的に入れる。

手をつけるまでは週末程度の作業と考えていたけど、実際やると想像の何倍も手間と時間のかかる壮大な作業だった、、、気軽に始めるとハマるので注意!


まずは定番のドアから。大昔にサービスホールをレアルシルトで塞ぐデッドニングをやってたのを撤去(一部劣化で剥がれかかってた)。アウターパネルに貼ってたニードルフェルトもテープの粘着が弱って垂れ落ちていた。重量あるモノを貼るのはプチルゴム系でないと年数経過すると剥がれやすいようだ。


まずはアウターパネルから。サービルホールから手の届く範囲に制振材を貼っていく。手で貼っただけではダメでローラーや棒とかでグリグリと圧着することが必須。密着させないと制振の効果が薄いうえに剥がれの原因になる。この作業がゲンナリするぐらい時間と腕力を浪費する、、、

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使った制振材はこれ。縦横に凹みが入ってるので目安にカットできて便利だった。カットはよく切れるハサミを使うと効率良い。あとローラーで圧着すると縦横の凹みが潰れるので圧着してないとこがわかりやすくて作業性はよかった。

制振特性はレアルシルトの方が良いみたいだけど、あれは面積あたりが高額な上に時間経過で粘着が剥がれやすい。そこまで拘らないならブチルゴム系の方がバランスいいと思う。しっかり圧着すればまず剥がれない。制振効果も必要十分。


ドア外を叩くとカンカンって音だったのが制振材を貼るとコッコッって音に変わる。鉄板が振動して出す音は確実に減ってる。外音は空気の振動が鉄板の振動として伝わって中に入ってくる。アウターパネル部分で減衰させることで遮音性は上がる。

静音化の材料は3つ

鉄板の振動を減衰させて音の発生を減らす「制振材」
空気の振動で伝わってくる音を吸収する「吸音材」
空気の振動で伝わってくる音を伝えない「遮音材」

あとは吸音材に近いけど断熱材も併用。吸音材も自動的に断熱材になるので何を主目的にした素材か?ってだけの違い。施工の都合とか重量と断熱や吸音効果の性能差で使いわかる感じ。

これらを組み合わせて車内の音圧を下げる。どこにどう使うかの参考になるのは純正状態の制振材や吸音材の配置。純正状態では必要最低限の対策しか入ってない。逆に言えば純正で吸音材のニードルフェルトが貼ってあるとか、制振材が貼ってある場所は最も効く場所。追加でやる場合はそこを徹底的にやる。

ま、他の場所も徹底的にやるのだが、、、ただ純正で手を抜いてる部分は手を抜いても致命的でない部分なので劇的な効果は出にくい。小さい効果の積み重ね。全体でみれば効果は出るけど作業の労力に見合うかはビミョー。過度な期待は禁物だけど少しでも静かにしたいなら手を抜かずに徹底的にやるしかない。


制振材の上から断熱&吸音シートを貼り付ける。軽いシートだけど制振効果もあるようだ。

Quiet-Mo 断熱シート デッドニング 50cmx30m (厚さ10mm 12枚) 車 断熱材 断熱マット ガラス繊維 吸音
使ったのはこれ。軽くて貼りやすかった。発泡ゴムとガラス繊維で強化したアルミ箔を組み合わせた断熱マットで、なんとなくアマゾンで目についたので採用。粘着付きなので施工が楽なのが良い。


アウターパネルが終わったらインナーパネル側。カーステの音質向上も考えて制振材を全貼りする。


ドアの内装にも少し制振材を貼ってその上から断熱材を貼り付ける。やりすぎると干渉して装着に支障が出るので要注意。あとでこの上から吸音断熱素材のシンサレートを貼りこむ。

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【N-spec】シンサレート大判(約1520*1000*13mm)
シンサレートは断熱吸音素材としてとても優秀なんだけど接着がやりにくい。グルーガンでざっくりと固定する感じになる。スペックは13mm厚だけど押しつぶすと1mmぐらいになるので、突起とか無視してテキトーに覆っても内装をつけられるのが利点。取り付けピンやネジ穴は切り欠いて確保しとく必要あり。


後ろのドアも同様にやる。


ついでにいまさらだけど恐ろしく音質の悪い純正スピーカーを捨てる。ちょっと古いけどカロッツェリアの良いスピーカーに交換。


音質めっちゃ良くなった。何をするよりもスピーカー交換するのが一番効くな。これまで後ろのスピーカーは音悪すぎたので前だけで鳴らしてたけど、これでちゃんと4スピーカーで音を出せる。


内装の脱着でクリップがいくつか破壊されるので予備を入手しておく。使われてるクリップは何種類かあるけど、まずは多く使われてそうなやつを確保。あとは壊した時点で探して入手する。

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リベット クリップ 10個セット 社外品 マツダ スズキ CAR-RV13


バックドアもやってドアは一旦終了。



作業の本番はここから。荷室の床と内装に手をつける。


内装やカーペットなどを撤去。外したことない部分も多いので試行錯誤が入って時間かかる。ホイールハウス、床、サードシート格納部分の床にはざっくりと制振材が貼られてる。つまりソコが効くんだな。特にホイールハウスは徹底的にやった方が良いらしい。


ウェザーストリップの中がサビでやられてた。サビ落とし&黒サビ置換してサビ止め塗装で修復。水が入るとこは時々外してチェックしないとサビで潰れちまうな。ご老体だから気をつけないと。


サードシート格納エリア。底には制振材が貼られてるので影響大きいと思われる。横の鉄板は叩くとカンカン鳴り響く。みっちりと制振材を貼って鉄板の振動を抑え込む。


荷室フロアにも純正の制振材。ここも影響大きいんだろうな。シートのキャッチや荷室フックを避けつつ追加の制振材。


ホイールハウスも制振材でキッチリと包み込む。ショックマウント部分は2重に貼った。


荷室の側面はサービスホールから手をいれてアウターパネルをドアと同様に制振材+断熱シートを追加。インナーパネルとの間に大きな空間があるのでシンサレートを詰めて吸音。


サードシート格納部分の内装裏にはシンサレートを貼った。


前方のフロアに手をつける。シートを撤去して電装系の配線をバラしていく。配線はゴチャゴチャなのでそのうちやり直しが必要だな。


電流系の下側も配線みっちり。ここらも後日にスッキリとやり直したい、、、


カーペットを撤去した。ここまで剥がしたのは初めて。ここも純正の制振材が貼り付けられている。ダッシュボードの下付近は遮音系のゴムマットが仕込まれている(外せない状態で組み込まれてる)。それなりに気遣いはされてるようだが、鉄板ビビリが酷そうな箇所に最低限の対策を入れてるだけとも言える。


制振材を気合いの全貼り。センタートンネル付近に色々モノがあってやりにくい。デコボコも多いのでローラーで圧着させるのも凄い労力がかかる。制振材を貼り付けるだけで簡単に1日消える。週末の2日潰しても前準備して貼ったら終わり。シートが付く状態に戻らない。そんな作業ペースなので果てしない。


制振材の上にロードノイズ低減マットを敷き込む。エーモンの吸音材と遮音ゴムマットが組み合わされたマットで薄めだけど効果があるという評判だった。あまり分厚くするとカーペットが戻らなくなる可能性があるので厚さ薄めのマットを使うのが吉。

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マットだけでは物足りないのでカーペット裏にシンサレートを貼る。フロアカーペットの下だと圧縮されるので吸音効果は少し減るけど、それでも断熱を含めてかなりの効果がある。押すと1mmぐらいまで圧縮できるのでカーペットを戻しやすいのも利点。


当然ながら荷室側のカーペット裏にもシンサレートを仕込む。シートキャッチの穴を開けていくのがかなり手間。ズレないようにグルーガンでチマチマと固定する。


無事にシンサレート付きのフロアカーペットが戻った。この状態でギリギリぐらい。これ以上の厚みだと無理がある。ホイールハウスは制振材の上からシンサレートで包んだ。内装裏にもシンサレート入れるのでホイールハウス部分は2重の吸音&断熱効果を狙う。


サイドのセカンドパネルはサービルホールを塞ぎつつ適度に制振材を貼った。


内装裏にシンサレートを貼る。変形な上に取り付けピンが多数あるのでめっちゃやりにくい。通気口らしき部分は塞がないようにしておく。


サイド下側の内装が付いた。ちょっと戻ってきた感がある。デッドニングは作業進んでいくと元の見た目に戻っていくので不思議感がある。完成すると見た目は元と何も変わらんので改造って意味では自己満足でしかない。

個人的にはノーマルに見えて実は、、、ってのが好きなので、こういう方向の改造は好みだったりする。能ある鷹は爪を隠す。隠れた部分で高性能ってのがカッコイイのである。


さて大物の天井をやるか。裏がどうなってるのか見たことない。


外した。配線くっついてるのかよ、、、剥がして分離する。


天井鉄板にはお情け程度のニードルフェルトがついてる。


撤去するがノリ残り地獄。どーにもならん。


シール剥がし材を駆使して半日格闘。このぐらいでいいか、、、天井を叩くとゴワンゴワンと鳴り響く。こりゃー制振するとだいぶ効果ありそう。


天井はあまり重くしたくないので制振材は60%貼り程度にしておく。叩くとゴッゴッって感じになった。雨音はかなり小さくなると思われる。


制振材の上から断熱シートを貼る。サイド部分もみっちりと。


天井は元がスカスカの手抜き状態なので制振&断熱効果はかなり出るはず。夏場のエアコン効率はだいぶ変わると思われる。


吸音&断熱のトドメに天井内装の裏にシンサレートを追加。でかい面積を一気に1枚貼りするのは爽快。クリップ穴とか抜いていく地味な作業は必須だけど。

天井内装外したついでにLEDダウンライトを仕込んだ。一発勝負だからだいぶ悩んだけど大正解だった。


天井戻ってダウンライトも点いた。ラストスパート!だけど細かいとこいっぱいあるんだよなー。


ピラー内装もシンサレートを貼り付けて戻していく。


サイド部分のセカンドパネルには断熱シートをチマチマと貼る。


そして内装裏にはシンサレート。元はニードルフェルトすら入ってないプラのみ内装なので断熱&吸音性能はガッツリ上がると期待。


掃除しながら電装系を戻す。自分でやった配線だが意味不明なのが混在してるなぁ、、、


だいぶ戻った。この辺の内装裏にもシンサレートを貼り付けた。


Aピラー部分もピラー側には断熱シート、内装裏にはシンサレート。


カーステ復帰。ドアがしっかりして全体の吸音も良くなったからか音が良くなった。


まだ細かい残課題はあるが一旦復帰。長かった、、、


ダウンライトのスイッチは天井横に埋め込んだ。当然ながら調光式で明るさ制御は自由自在。


暗い時に自転車積み下ろしとか車中泊とかでの快適性が大幅にアップ。

近場を軽く走った感じでは外からの音やロードノイズの侵入はかなり減った。ダッシュボード周りは何も変わらないので他が静かになった分、エンジン音が少し目立つ。高速ではもっと効果が大きいだろうから今時の車ぐらいの静かさにはなったかな。

作業があまりに大変すぎて労力に見合った成果かどうかは価値観しだい。少しでも静音化したければ選択肢はない。徹底的にこだわってやり遂げればそれ以上はないので達成感はある。コツコツやればDIYでできる作業だし、自分でやるからこそ細かいとこにこだわれるので時間が確保できるなら騒々しい車の対策にフルデッドニングはアリ。

個人的には二度とやりたくはないが、、、(^^;

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