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2日かけて懐かしのルートをたどる

2023年 05月 01-02日

やっと晴れた。GWだけど5/1、2は平日。休みじゃない人も多いので逆にそこを狙う。どこも混雑するGWだけど平日扱いの日はちょっとマシ。行き当たりばったりで動きたいので混雑ピークはできるだけ避ける努力をする。

37年前の高校2年の時に思いつきで当時の悪友と「高松->徳島->川之江->高松」の三角ルートを通学自転車で走ったことがある。もう詳細は忘れてしまってるが当時を思い出しながら同じルートをトレースしてみたい。あの頃は地図すら持ってなくて国道11号と192号を追いかければぐるっと回ってこれる、って単純な考えしかなかった。

自転車はあの当時流行っていたトップチューブの四角い箱に5段階の変速レバーがあるやつ。当然ながらメーカー物ではなく怪しいコピー品。たしか夜も走って夜中に力尽きて吉野川沿いの無人駅で寝た記憶がある。もうそんな元気はないのでそこはテントキャンプに置き換える(初キャンプサイクリング!)。

当時を再現すべくわざわざ中心部を通過。旧道を混ぜながらR11を追いかける。モロに幹線道なので普段は自転車で通らないのだが、今回はひたすら幹線道ばかりを走る。さてどーなるやら。

郊外に出ても車は途切れることなくやってくる。大型トラックもかなりいる。路側帯があるとこはマシだけど狭くなってる場所では車を堰き止めがちになるので走りにくい。

羽立峠を突破。30kgぐらいのCOHO XCを牽いてるがどーということはない。それより重すぎと重量バランスの関係でハンドルが不安定なのが問題。荷物量と積み方を考え直さんといかんなぁ。キャンプレベルの荷物は甘くない。

津田の道の駅で休憩。37年前にここはなかった。調べてみたら道の駅そのものが1991年から実験スタート。1986年にあるはずもない。広大な松の木空間はあったはずだがさっぱりと記憶にない。

ひたすらR11を東へ走る。意外と海が見えるとこは少ない。

コンクリの防波堤が出てきたら分岐が近い。

これこれ。当時のミッションは大坂峠を経由して徳島市に入ることだった。こっちの方に住んでた同級生に大坂峠のことをよく聞かされた。海沿いでは遠回りなので峠を越えるのがショートカット。でも簡単には越えられんぜ!みたいな話。ロードマン(当時のブリヂストンの自転車)のやつが途中で断念して戻った、とか、俺はママチャリで越えたとかの武勇伝。羨ましくて俺も自転車で行ってやるーって思てた。

MTBに乗るようになってから何度か通ってるがほとんどが反対方向から走ってる。こっちから登るのは2回目かな?今回通って思ったが、高松側から登るのが正解っぽい。極端なくねくね登りで景色の良さを楽しめて反対側にはわりとスッキリ快適に下れる。逆向きだと登りが単調で下りはくねくねが走りにくい。

この道はロケーションいいんだよなぁ。交通量は極端に少ないけどゼロではないので近づいてくるエンジン音には要注意。

斜面にへばりつく道がエグいけど斜度は5%と良心的。当時のギヤ比では立ち漕ぎでも厳しくて大半を押して登った。37年経った今ではE-MTBで総重量30kgのトレーラー牽きつつギュイギュイと15km/hで登れる。感無量である。

あっさりと県境。徳島県鳴門市に入る。

今回はお試しで適当に積んだけど、キャンプ道具満載では重すぎ&重心高すぎで思うような走行性能が確保できない。かなり考え直さんといかんなぁ。1kg単位のモノを気軽に積んだらダメだ。100g単位でシビアに考えて削ぎ落とす必要あり。

そろそろピークか。新緑が美しい。

この道は県道1号線。徳島の最初の県道か?

豪快に下って徳島市内へ。

とりあえず県道1号を追いかけて吉野川を渡る。当時は下ったとこで日が暮れた。道などわからんので途中のガソリンスタンドで中心部へ向かう道を聞いて適当に走った。たぶん違う道のような気もするが、もはやわからん。とりあえずR192に出ることを目指す。

R192に出たので川之江方向へ。

あの時はとっぷりと日が沈み、腹ペコで国道に出てマクドナルドを見つけて晩御飯を食べた。R192沿いだからこの辺だったかな?と思って入ってみる。注文したときにクルーに店舗のOPEN年を聞いてみたら「30年前です。私は高校生でした!」とのこと。うーん、37年前には無かったのかー。

そっかー37年前には無かったのかー、で終わると思ったら、クルーが「37年前のこと調べます!回答させてください!」といろいろ調べてくれた。当時、徳島には4店舗しかなくこっち方向の幹線沿いは1店舗のみ。それだ!あっさり判明。だいぶ中心部寄りだった。ストリートビューで確認すると窓と道路が近い。そうそうこの窓側で夜の道路見ながら食った。また今度行ってみよう。

調べてくれたクルーに感謝!おかげで謎が解けた。

当時を再現したメニュー。ビックマックとポテトとコーラ。それに加えてシェイクのバニラ。高校時代には贅沢の極みのマクドナルドフルセット。あの時は晩御飯だったが今日はランチで食べる。

引き続きR192をひたすら西へ。

やっぱり交通量多い。37年前に通った時は夜だったからか交通量少なかった気がする。

当時の自転車のライトはタイヤに当てて回すダイナモで発電して豆電球を点灯するシロモノだった。そんなライトで夜を乗り切れずはずがないと思ってたので事前に改造した。ダイナモの配線を外し、定格6Vの豆電球に別配線でラジコン用の7.2Vバッテリーを繋ぐ構成に変更。

ライトは体感的に倍ぐらい明るくなった。でも定格以上の電圧なので電球切れのリスクがある。なので予備を3個入手して持って走った。確か一晩で2回切れて交換した。ライトにうるさいのは当時からだな。

バッテリーの1本目が強制ECOになって終了。2本目に交換。

バッテリーは重いので底に積むしかない。必然的に上の荷物を引っ張りださないとバッテリーを取り出せない。もうちょっといい方法はないものか。

吉野川を眺めながら東へ走る。優雅なように見えて実はものすごい向かい風がゴウゴウと吹き荒れてる。アシストあるのに17km/hぐらいしか出ない。突風が吹くと15km/hまで落ちる。さっぱりと進まない。

行けども行けども風は弱まらない。さすがに予定より大幅遅れ。人力自転車だったらとっくに死んでる。永遠に坂を登ってるような感じ。

どーにか日暮前に着いた。死ぬかとオモタ。今日の走行は140kmぐらい。キャンプサイクリングでこんなアホみたいな距離走ったらいかん。しかし、37年前の俺は1日目でもっと先まで行ってたのか、、、アホだな。

こんな岩のある無料キャンプサイト。さすがGW、ほぼサイトは埋まってる。広いからどっか隙間あるだろ、と思ってたが開けた場所は完全に終わってた。

奥に何箇所かある狭いサイト空間に空きスペースがあった。ラッキー!「ここをキャンプ地とする!」。すぐ近くにトイレあるし向かい側には水道もある。そして歩いていける範囲に温泉がある。なのに無料。上にはキャンプ村という名の有料施設があるのだが、キャンプ場ではなくコテージみたいなのしかない。テントキャンプは管理外の無料エリアでしかできないという不思議な構成。

金取ればいいのにって思うけど有料にすると逆に管理コストの方が高くなるのかもしれんな。

今回の目玉、何十年かぶりにテント買った。大昔にはオートバイに小さいテント積んでキャンプしてたがそのうちオートキャンプに変わってデカいテントになった。そしてキャンピングトレーラー、、、こういう小型テントとは長らく縁が切れてた。

安物テントにも目移りしたが、、、いつもそれで失敗する。今回はガッツリと本気テント。モンベルのとだいぶ迷ったが、設営3分撤収1分の謳い文句に惹かれてホーボーズネスト2に決断。このちょっと伸びてるひさしがツボった。2人用なので1人+荷物が楽々。出入り口も前室も2つあるので風は抜けるし自由度も高い。高いだけあって良いテントだ。

設営した直後に雷鳴が、、、いきなり大粒の雨。いそいでテントに逃げ込む。叩きつけるような雷雨が15分ほど続いた。いきなりの雨テストとは。フライの下の方が跳ね返りでドロドロになったけど雨漏りなし(当然か)。

風呂に入ってからくつろぐ。

とりあえずプシュっと。

ごはんを炊く。980円のメスティン。

ごはんうまく炊けた。ギョウザとたこわさ。ビールによく合う。

冷えるので早々にテントに引っ込む。この時期はまだ焚き火がないと厳しいな。到着時間が遅くて薪が確保できなかったのが痛い。まー焚き火するのに時間もいるからどっちにしろ薪だけあっても無理だけど。疲れたので早めに寝る。

ちなみにここで熟睡するには耳栓がいる。対岸の線路を列車が通る音がモロ聞こえ。あと夜遅くにもたまにキャンプ村へ車が行き来する。そして近くのエリアの車のスライドドアの音。ガラガラガラーガシャン!ってのが結構な音。キャンプ場で車中泊禁止が増えてるのなんとなくわかる。耳栓あればどーということとはないけど。

翌朝。めっちゃさぶい。日が当たるまでは外にいる気がしない。前室でコンロ付けてテント内を温める(<-危ないので知識なくやらんように)。

太陽当たって暖かくなってからノソノソと朝食。バターロールのタマゴホットサンドとカップスープ。残ってたたこわさも。

急ぐ気まったくなし。ゆったりとコーヒーをいれる。

これまでチタンのシングルウォールを使ってたけどダブルウォールを買い直した。真空じゃないダブルってのがコーヒー飲むには程よい。これが真空だとコーヒー入れても本体冷たかったりするから感覚的に合わない。このぐらいがちょうどいい。

のんびりしすぎると連泊になる。そろそろ離脱。バッテリーは昨日の2本目が残半分なので3本目と交換しとく。たぶん今日は1本で走り切れるはず。

断層っぽい岩が川からニョキニョキ。中央構造線との関係か?ポツンとある橋脚は橋を作ろうとして途中で断念した残骸らしい。

R192へ。なんか走行制限あるな。

これか、、、確かに重いの通るとヤバそうな橋だ。

R192へ復帰。川之江を目指す。

路肩は10cmぐらいか。こんな道だけど大型トラックがバンバン来る。

R32との分岐を過ぎると交通量はだいぶ減る。でもやっぱり大型トラックは来る。

野生の藤の花。青空に映える。

めだか屋があった。

高速が見える。ほとんど空を飛んでる状態だな。

まるごと廃墟。昔は栄えていたのだろうか?

境目トンネル。これはシャレにならん。中は暗くて路肩なし。こんな中で大型トラックと遭遇したくない。旧道があるのでそっちに迂回する。

やっぱこれが王道。旧道最高だな。

木陰がひんやりで気持ちいい。

旧道沿いにポツポツと民家がある。田んぼらしきとこは耕作放棄地まみれ。限界集落っぽい感じになってるんだろうか。

境目峠。サビまみれの標識がある。

愛媛県との県境のようだ。ここから川之江市。

なんと朽ちたR192の標識もあった。この道が国道だったのかー。

R192に戻って下りを爆走する。

下り切ってから休憩。

そしてついにR192の終点。R11と交差するポイントに到達。ここからR11に乗り換えて高松へ戻る。

R11もかなり激しい。路肩なしの狭い道路に大型トラックがじゃんじゃんやってくる。歩道も変なことになってて逃げ場なし。

だけどサイクリングルートになってんだよなー。路肩空間のある都合いいとこにしかペイントしてないみたいだけど。

37年前にはこの辺でテトラと海をバックに写真を撮った。テトラ見れるのここだけなのでこれかな?

そして当時は国道から見えたマルナカで惣菜買って昼ごはん食べた。マルナカの看板見えたからあんな感じかなーと思って入ったが古い店舗ではなさそう。場所はさっぱりと記憶にないんだよなー。昼過ぎてるしここで昼ごはんにする。

当時のメニューを再現。なぜか赤飯を食った。ふりかけた塩が旨かった記憶がある。あとコロッケ。赤飯なんて売ってないだろと思ったがさすがマルナカ、昔から変わらんようだ。りんごは今回アレンジのオマケ。

あとはひたすらR11を追いかける。走りやすくはないがこのぐらい路肩のある場所はまだマシ。

鳥坂まんじゅう定休日だった、、、

R11もバイパスまみれで当時のR11がさっぱりわからん。この辺は旧11号だったはず、ってことで県道をいく。

途中でまたわからなくなったのでバイパス側へ。もはや昔の道の面影がわからん。

宇多津まで戻ってきた。あと少し。

金山トンネルは危ないので歩道で抜ける。37年前はこれ通ってないよなー、旧道側か。

ほぼ戻った。なんだかんだでいい時間。37年前は午後には帰ってたな。運動部でもなく特に運動もしてないのに思いつきでオンボロ自転車に乗ってこれを走り切ってしまうんだから高校生ってすげーわ。あの頃の俺は凄かったということにしておこう。

到着目前で強制ECO。今日の98kmの走行でバッテリ1本終わった。

2日間で走行距離238km獲得標高は1500mぐらいでバッテリー消費は2.5本という結果。2本体制で行ってたら豊浜あたりで力尽きてたな、、、危なかった。

アホなチャレンジ完了。今回は幹線国道ばかりを走るという普段では絶対通らないルートだったので新鮮だった。でも基本的に自転車で走る道じゃねぇ、、、路肩なしで大型トラックがじゃんじゃん来るのはムリゲー。サイクリングではR11とR192をできるだけ避けることをオススメする。
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