V73W-ZX 5MTの印象

トップ > 車の改造 > Pajero V73W > V73W-ZX 5MTの印象
2003.7

V75W-ZXとV73W-ZXの両方をよく知らないと気が付かない様な、びみょーなマイナーチェンジがいくつか行われています。

まずシートの裏地。2000年モデル(V75W-ZX)では裏面はビニールでした。表の生地は当時のZRグレードと同じでしたが、中のクッション材料が異なっているのか座り心地がZRと違いました。わざわざV75W-ZXを差別化するために、共通材料を使ず性能を落としたシートを作ったという印象でした。さすがにそんなバカなことをすると余計にコストがかかることに気がついたのか、2002年式のV73W-ZXではZRと共通の裏地になっています。座り心地も明らかにしっかり感があり、エクシードクラスの座面と感覚的には大差ありません。中は同じ材料を使う様にしたのでしょう。唯一の違いは運転席側のシートに座面を上下する調整機能が無いことです。

調整機能が無くても、座面角度が適切であれば問題ないのですが、私の体格だとペダルやハンドル位置との関係と座面角度が合わず、太ももの裏をシートの角で圧迫し続ける状態になります。シート奥がかなり下がっているので目線も低いし...。以前から持っているエクシードのシートに交換したので実害は無いですが、こんなしょーもない部分に差をつけるという考え方は理解できないです。

あとはサイドミラー。V75W-ZXの時は寒冷地仕様にすることでリモコン格納式ミラーに化けたのですが、V73W-ZXでは寒冷地仕様でも手動式のままになる様です(私が乗り換えたのは寒冷地仕様じゃないから、そもそも手動なんですけど)。V75W-ZXの時にリモコン格納式だったので、かなり未練があったんですが、ハッキリ言って手動式でもまったく問題ありませんでした。狭い駐車場に入れた時にボタン一発で倒せなくなりましたが、どーしても倒さないといけない場面なんてほとんど無いし、手で簡単に倒せるから気にならないです。壊した時のパーツ代を考えると手動ミラーもありかな?と考えが変わりました。

どっちかと言うと、V75W-ZXでもそうでしたが、リモコンキー機能が潰されているのが腹立ちます。搭載されているコンピューターユニットには機能があるのに、設定として潰している様です。オプションにも設定されてません。おそらくコンピュータ側の受信部分は、他のグレードとなんら変わらず受信状態なのだと思いますが、それに対応するキー側のコードを発行しないことで、実際には使えない様にしてるのだと思います。
今時、軽自動車の下のグレードでもリモコンキーは標準装備なのに...。いい加減にしてくれ三菱自動車!という感じです。

ちなみにリモコンキーの重要性を強く感じるのは、パジェロロングの場合、助手席側のカギをキーで開けても、そこから手を入れて後ろのドアの鍵を開けるのが非常に困難だからです(昔の車の様に窓枠付近に飛び出してるタイプなら手が届くんですが、ドアノブと一体になってると前から手をまわすのは不可能に近いです)。なので、助手席側の後部座席に荷物を入れようとすると、必ず運転席側へまわって全部のドアの鍵を解除する必要があります。

エンジンはGDI-3500(220ps)からMPI V6-3000(180ps)へダウングレードになります。アイドリング時に「カチカチ」という直噴の音を含んだ独特の音を含み、低回転では静かで滑らかのGDIエンジンに対して、MPIは昔ながらの、ごくごく普通のガソリンエンジンでした。低回転トルクが劣るので、同じ感じで走るとどーしても回し気味になることも手伝って、エンジン的な高級感はまるで無いです(笑)。エンジンがMPIなのでイモビライザーも無くなりました。

MPI V6-3000は低回転トルクが薄めで、現代のエンジンとしてはアイドリング付近の超低回転では極端にトルクが薄い部類だと思います。オートマだとトルコンがカバーするので、あまり感じないかも知れませんが、マニュアル車だとギリギリのクラッチワークをしてしまうので、いとも簡単にノッキングします。ギアが乗用車ライクなギア比になっていて、1、2速のギア比が高いことも影響してます。走りはじめると気にならないのですが、狭い場所で微妙なとり回しをする時などは、クラッチワークに気を使う感じです。

最大出力は180psなので、GDI-3500の220psと比べると見劣りしますが、そこはマニュアル車の強みで、キッチリとレッドゾーン手前まで引っ張ればGDIより速いです。ただし、GDIのゆとりの加速というイメージに対して、がんばってエンジン回して走っているという感じにはなります(回すとエンジン音もうるさいし)。220psには余裕があり、180psは必要十分という感じでしょう。GDIにマニュアル車があればベストなんでしょうけど、オートマしか無いですからね。マニュアル車であることが最優先の私にとっては選択の余地はないので180psでオッケーです。

乗り心地はV75W-ZXと同じと思っていたのですが、なんか微妙に違いを感じます。独特の柔らかい動きは変わらないんですが、フロントのゴツゴツ感が強く感じる様な...。エンジン重量が軽くなっているでしょうから、寒冷地仕様でない(バッテリーが小さく軽い)ことも手伝って、少しフロント加重が少ないのかな?と思うトコです。カタログ値では20kgほど車重が増えてるんですが、内装とか剥がしてみた限りでは、とくに吸音材が追加されてる感じも無いし、エンジン重量差を考えると、いったいどこが重量増になってるのか謎です。

とーぜんですが、我慢ならない柔らかいショックは、即座にビルシュタインに交換しました。

あと、V75Wの時に空荷で発生して困っていたコモリ音ですが、V73W-ZXではコモリ音そのものは発生しているんですが、どの速度域でも極端なピークにならないのでマシに感じます。ただし、高速道路を巡行してる状態ではエンジン音がGDIよりもうるさく感じるので、それと相殺されてる可能性はあります。路面からのロードノイズも大きいので、やっぱり内装内に吸音材を詰め込む必要がありそうです。

細かい文句はあるものの、巨大なボディ&シンプルな外観&ガソリン&クロカン&マニュアル車&現代の技術で設計された安全性能、という私の条件をほぼ完璧に満たした貴重な車なので、じっくり改造しながら長く乗って行きたいと思います。

トップ > 車の改造 > Pajero V73W > V73W-ZX 5MTの印象
V73W-ZX 5MTの印象 COPYRIGHT 1996-2024 E-NAYA
Powered by WPMS