2022.05.18
 votani H3はQ3と電気周りとアシスト制御はまったく同一。フレーム形状の違いとリアブレーキやリング錠とかの構成部分が違うだけ。あとフレーム形状の違いからサドルの最低地上高はQ3よりも高い。とはいってもカタログ値の適応身長は149cm〜なのでサドル位置としてはだいたいの人は乗れる。 ただしハンドル位置が高めなので、そもそもは身長高い人が乗った方がサドルとハンドルの関係は程よくなると思う。身長168cmの私が乗るとサドル高さがハンドル高さに負けてる感じ。体は直立気味で前傾にならない。まーそれはそれで実用車としては標準的で都合いいかもしれないけど。  新色のメタリックグリーンはとっても鮮やか。この色は大当たりだった。H3として特徴的なのはセンターバスケット。フレーム上に細長いカゴがついてる。以前試乗した時は気にもしてなかったが使うと結構便利だったりする。ここにスペアバッテリーも楽勝で入る。ほどよいバッグを見つけておけば運べる荷物は結構なもの。 もうQ3で見慣れて当たり前になってしまったが、votaniのスッキリ感はケーブル内装にある。実用車はケーブル類がフレーム外を這い回ってるのが多いがvotaniは手を抜かず中を通してる。この辺のこだわりが見た目の印象に大きく影響してる。 バッテリーはサドルポスト後ろのフレーム部分に入ってる。容量は252Whと小さめ。実用車としては特に困らない。使い切るほどのロングは基本的に対象外。どーしてもの時はスペアをバスケットで運べばいい。車体の用途と容量の関係は適切。価格も含めて絶妙なバランスで構成されてる。  軽くスモークの入った透明チェーンカバーはほんと素晴らしい。ダサさを感じさせないフルカバーってvotaniぐらいじゃないのか？普通の格好で乗る通勤用途には必須装備だが見た目がダサくなりがち。votaniのは軽いし見た目も機能性も完璧。他社も見習ってくれ。  前後のフェンダーも軽量な樹脂でデザイン的にもとっても自然。フェンダー付きでダサく見えない自転車はほんと少ない。これもvotaniは個人的な基準に合格。 タイヤのバルブは英式。ママチャリと同じなので普通の空気入れが使えて実用車としてはベター。  フロントハブモーターは250W。Q3と同一のもの。PSA1と出力は同じだが、こっちの方が少しノイズがあるのと最大トルクは低めだと思われる。緩い坂まではかなりパワフルで常識的な坂まではPSA1と同等のアシスト力がある。しかし10%を超える激坂になると坂の負荷に負けて弱り気味になる。でも登れるから困りはしない。この辺は価格相応でバランスは取れてる。そもそも体重が軽い人が乗ると気にならないかもしれない。  バネだけのフロントサス。硬めのバネのみの構成でプリロード調整ができるだけ。路面の綺麗なとこを普通に走ってるとサスの存在は感じない。でもその状態からアスファルトが剥がれたとこや、道路工事して舗装段差ができたとこに突っ込んだ時に「カコッ！カコッ！」って音がしてフルに動いて衝撃を逃してくれる。なかったらハンドルを突き上げられるのでタイヤ径の小さいミニベロには有効。 特にvotaniはフロントハブモーターなので前が重い。おもちゃみたいなサスだが効果は大きい。これのおかげで乗り心地の印象はかなり良い。ただしリアはリジットなので後ろの突き上げ感は避けられない。そこはPSA1には敵わないがリジットとしてはマシな方なので許容範囲。総合的には価格以上の乗り心地を確保してる。  前カゴを付けるためにオプションでフロントキャリア（耐荷重10kg）を追加。こいつの素晴らしいとこはフレームマウントなこと。10kg積んでもハンドル自体は重くならず安全に走れる。実用車として使うとこういう部分がジワジワ効いてくる。  ライトはあまり明るくない。まー価格相応か。周囲の明るさで自動点灯するAUTOモードを搭載してるのは素晴らしい。ライトボタンはディスプレイ側にあるのでそっちで明るさ判断してライト制御してると思われる。明るいライトに交換したいとこだが36Vの微弱電流仕様のラインで駆動してるようで簡単にはいかない。 USB電源作ったり12V系のライト使ったりするには、元電源の36Vから自前でDC-DC変換して違う電圧のベースを作り出す必要がある。敷居は結構高いが元のライト配線をライトON,OFF用のシグナルとして流用すればオートライトとしての動作も実現可。それはそれで面白い題材かもしれない。 なんにしろ通勤用の実用車としては価格以上に楽しめるEバイクなのは間違いない。 初期不良チェックを兼ねて、距離72km、獲得550mのロングを走ってみた。 |