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紅葉の剣山スーパー林道へ

2021年 10月 31日

朝は雨。予定が2時間以上ズレた。早朝出発どころでない。昨日の夜判断で出発自体を遅らせたので睡眠取れたからヨシとするか。想定ルートを走るのは難しい気がするが、他に楽なルートがあるわけでもない。まー今日は2台なのでどーにかなる。単独ではリスキーで無理。

超レアなTRS2AM+COHO XCの2セット。なんかジワジワとCOHO XCが増えてきた。結局のところ荷物を運んだ上で本気のダートに入り、下りダートをMTB単体と変わらん勢いですっ飛ばそうとするとCOHO XCしか選択肢がない。

走りに徹して荷物運ばなかったらE-MTB単体でえーやん、ってことになるのだが、剣山スーパー林道ってクラスになるとバッテリー容量がまったく足りない。1本だけなんて片道切符にすら足りない。そーなるとスペアバッテリー複数本の運搬は必須となり、奥へ入れば何もないから食べ物や飲み物、山の天気に対応できるウェア類が最低限の荷物になる。

でもそれらをリュックで運ぶのはほぼ不可能。2輪トレーラーだと荒れたダートのハイスピード下りができないのでダメ。結局、行き着くとこはCOHO XC。でまぁ、せっかくCOHO XCを牽いてるんだからイスやらコーヒーセットやら快適に休憩するためのデイキャン装備やドローンとか余計なモノも追加して、、、って流れ。そこに落ちる人は超少数派だけどポツポツと増えてきてる。

アプローチ路を淡々と登る。ちらちらと日差しが出るけど雲の上は白いやつが浮いてる。

満月イチョウは緑。これが黄色な時に来るのは色々と敷居が高い。狙って動かないとムリだな。

上がっていくと紅葉してるのがポツポツと出てくる。

お約束の出会い滝。今日は真っ正面からガードレールで支えて狙う。いい感じでスローシャッターいけた。

隙間から青空は見えてるが雲が低い。先が思いやられる、、、

山肌の木がかなり色付いてる。すごくいい感じなのだが写真にうまく写せない。実際に見るとこんなもんじゃない。ここに立たないと同じ体感はできない。

雲を挟んでも太陽光あると違うなぁ。

3色グラデーション。

想定より大幅に遅れてるのにアプローチ路で遊んでる場合でない。早くも腹が減ってきたぞ。先を急ぐ。

ピーク手前のひらけた場所で休憩。

すごい珍しいのがいた。後期型プロシードキャブプラス+キャンピングシェル。プロシード懐かしいなぁ。このキングキャブ型のキャビン構成が素晴らしかった。無理矢理だけど4人乗れるキャビン。そして荷台は1820mmを確保してる。全長は5mと長いけど幅は5ナンバー枠。エンジンは2.7Lのガソリン(後期型は2.5Lだったかな?)。これがまたよく走った。楽しい車だったな。

眺めてたら中の人が出てきて雑談いろいろ。スーパー林道を抜けてきたようだ。いつもはシェル降ろしてバイク積んだりしてるらしい。載せ降ろしできるシェルも面白いな。

いかん!さらに時間浪費。トンネルでピークを超える。

そのまま酷道を下って剣山スーパー林道の西側区間の接続口。

ダートに突入。今回はちゃんとタイヤの空気圧を落とす。パンクリスクとの兼ね合いでどの辺まで下げれるのか手探り。TRS2AMを1.3bar、COHO XCを0.8barまで下げたが特に問題なし(※うちの構成という前提。ノーマルとは条件違うので注意)。下りで岩にガツンとやってもリム打ちしそうな感じもない。ガタガタ感が薄らいで良い感じにグリップする。もっと下げれるかな?

ここはフラットダートと表現されるけど飛び出た岩はゴツンとくる。フラット気味なので下りで速度が出る。その状態で岩突起に突っ込むのでリム打ちリスクは大きめ。あとは欠けた岩でのサイドカット。フラットだけど走行ラインはよく見て走る必要がある。

太陽出ないかなぁ、、、

後半で太陽出ることを願って淡々と進む。徳島のヘソまでは基本的に登り基調。Eバイクならどーということはない。速度は出ないので強制的に紅葉鑑賞状態になる。先を急いでいても急げないのが程よい制限。たぶん速度出せたらキッチリ上限速度で急いで通過してしまう。物足りない速度だけど個人的には良いリミッターだと思ってる。お陰で登りで目にする周りの景色はじっくりと見分けられて見逃しが無い。記憶にもしっかり残る。

そもそもオフバイク時代にはよく走ったルートなのに途中の印象ってほとんど無いんだよなぁ、、、オートバイ速度ではそんなモノ。どーしても「ダートをワイルドオープンで走る」ってことに偏ってしまう。速度出せるモノに乗ると同じ。乗り物好きのさが。

1本目が終わった。想定通りではあるがやっぱりファガスまで1本では到達できんな。標高1300mポイントでスタート地点からの標高差は1100mぐらいなので足りそうに思うけどいつも手前でアウト。ノーマルやECOを使うならギリギリ到達できるかもしれんが登坂速度がさらに落ちて余計な時間がかかってしまう。そうなると時間が足りなくなる。HIGHモード+必要量のスペアバッテリーってのが現実的。

薄く日差しが出た。やっぱ太陽光が入ると色が違う。

やっとファガスの森。

椅子を出して休憩。もう12時半。ここで昼飯食いたくなるがせっかく準備してきたので我慢。

代わりにデザート想定だった果物を食べて間をつなぐ。疲れた体にサイコー。だいぶ復活した。

剣山スーパー林道は開けた場所が多いのが特徴。ダートを走りつつ遠くの山肌の紅葉をダイナミックに鑑賞できる。贅沢な紅葉鑑賞。

山深いなぁ。

ガードレールがくにゃくにゃと波打ってるとこは落石多発ポイント。斜面側を気にしつつ通過することを推奨。

徳島のヘソ。

ビューポイントだが遠くは雲で隠されてる。パリッとした晴天にここに立ちたいところ。何度か来てるが当たらんなぁ。

でもまぁ紅葉鑑賞としては悪くない条件。ちょっとズレると真っ白だったりする場所だし。

よーやくピークの1500m付近。ここからはダイナミックな下り。とにかく腹減ったのでランチポイントへ急ぐ。なんかビミョーにリアブレーキの感触がおかしい。ブレーキレバーの引きしろが多くなってる。なんかトラブルの予感、、、

下りをバンバン飛ばして風の広場へ到着。今日はほとんど風が吹いてない極上の条件。

えー場所や。ここへ来れる人は限られる。どのルートからやってきても超過酷。車で来ると別の意味で過酷。SUV系の車ならダートは走れるがアプローチ路の狭さは想像を絶する。おまけに登山系やらスーパー林道目当ての人がいるから少しは車が入り込んでる。つまり対向車が来る。すれ違いのできない狭い激坂で対向車に対処できる運転テクが必須になる。運転初心者が入り込める場所ではない。

結局のところこの辺で見かけるのは圧倒的にジムニーってことになる。4WDの軽自動車なら何でも入れるが鋭い岩でタイヤをカットすると終わる。ゴツいタイヤがリスクを下げる保険になるのでそれ系のタイヤが使える軽自動車がベター。となると選択肢はあまりない。

極上の環境でランチ。簡単にはマネできない世界。プライスレス。

腹減ってる状態で食べるモノを準備するのが嫌いなので、まず少しだけお湯沸かしてフリーズドライの豚汁を作る。これをススリながら他の準備とメインで食うモノを用意するのが個人的なパターン。停車直後は体温まってるけど気温の低い場所ではすぐ冷えてくるので速攻豚汁は特に有効。

メインは煮込みうどん。ぐつぐつやりながら少しづつコップに取って食う。寒い場所ではサイコー。

温めたサバの味噌煮をツツキつつ。

いなりも煮込みうどんに合うなぁ。

トマトで野菜も取っておく。口の中がさっぱりしてうまい。

コーヒー飲んでグダグダしてたら風の広場が本気出してきた。一気に雲に飲み込まれた。めっちゃ寒い。これぞ山の天気って感じ。

広場の出口はどこだ?見えんぞ。

断続的に雲の中を抜けながら進む。ブレーキレバーの引きしろは大きいまま。カチっと効かないが十分な制動力はでてるので騙し騙しで走る。

北方向への分岐ポイント。キリがいいのでもう1台のバッテリー交換。うちはまだもつ。

低重心にするためにバッテリーを底に固定積載。そうやると交換時に上の荷物全部出してお店開くことになる。その辺が大きなジレンマ。二重底とかでスッとバッテリー出し入れできる構造じゃないとストレス溜まる。出した荷物の一部が落ちて置き忘れとかになると最悪だし。

時間はヤバイがスーパー林道を先へ進む。

きたぞ山腹崩壊の区間。もはや日暮れまでにこの分岐へ戻ってくるのがギリギリの時間。だがここまで来たら行くしかない。ポタではなくライドペースで崩落箇所へ突撃。

撮影は走りながら限定。この区間は紅葉の色づきが一段といい。

いいねぇ。なんか早くもビミョーに薄暗くなってきてる気もするが、、、

崩落現場到着。途中で追い越されたビックオフ2台と遭遇。こっちも珍しいがビックオフ2台も超珍しい。今のアフリカツインとスーパーテネレ。この組み合わせも超レアだな。さらに言えばこの場所にいること自体が超レア。性能的には問題ないけどあの巨体でここまで入り込むのは心理的に難しい。

車体を見る限りスーパーテネレがオフ慣れしてて、アフリカツインはノーマルに近いっぽい。ちょっと話したらアフリカは初林道らしい。気をつけてー、と声かけて来た道を戻っていった。

自転車がオートバイを先に見送ってどーすんじゃ、って時間だが腹をくくってドローンを飛ばす。暗くなるまでに分岐まで戻ればいいだろ。どっちにしてもすぐ真っ暗になる。舗装路なら暗くても走るのに支障はない。

夜のスーパー林道は危険すぎるので走ったらいかん。走るならSSER出場時なみのライト装備がいる。TRS2純正ライト程度では話にならない。常に徐行で移動すれば通過は可能だけどそんな速度では距離的に抜けれない。距離があっても舗装路へ逃げた方が安全で確実。

2本目がほぼ空なのでここで3本目に交換。分岐まで戻る部分の登りを突破すればエスケープ路は集落まで下り。そこからR193の接続までも下り基調。R193から北上して登るのがピークまでの高低差で600〜700m程度。たぶんギリセーフのはず。3本でギリセーフ。マネする人はよく理解しておくように。バッテリー切れたら帰れんぞ。

エマージェンシーを考えてバッテリーは強制停止をする前に交換するのがよい。万が一交換後のバッテリーがエラーとかで死ぬと電源を完全に失うリスクがある。アシスト無しでは帰れんとはいうものの膨大な時間をかけてでも帰るしかない。その時に重要なのがライトやSTEPSシステム用の電源。ちょっと残ってる状態で交換しておくと再交換すればライトやDi2の電源程度なら長時間確保できる。

さー、ほんとに薄暗くなってきた。さっさと戻る。

逆方向に見る紅葉も綺麗だな。停車は避けて走りながら撮影限定。急げー。

ん!?だいぶ前に帰ったはずのビックオフ。どーした?

アフリカツインが石跳ねてセンサーカプラーに直撃してコネクター破壊。センサー信号取れんからエンジンかからん、って状態らしい。いやアンダーガードあるのに何それ?ビミョーに隙間があってそこにピンポイントで当たったらしいが、、、ホンダよ、その位置に重要コネクターって設計ミスだろ。石跳ねをモロかぶりする場所じゃん。アンダーガードに隙間があるのもなぁ。そんな設計ではラリーは耐えれんぞ。今のアフリカツインはリアルなラリー想定はしてないのかもしれんが、たかが石跳ね程度でモロすぎる。

スーパーテネレかっこいいな。またエグい本気タイヤ履いてる。アフリカをロードサービスで回収できるか問い合わせしてたので現在地とか伝えるのを助言しながらぐだぐだ雑談。こういう事態になると電話つながるかどうかって重要だな。ソフバンは潔く圏外。使い物にならん。

結局、県道に出ないとロードサービスは難しいらしい。運良く分岐まであと少しでほぼ下り基調(少しの緩い登り返しはあるが、、、)。下りは乗って勢いつけて登り返しは2人で押せばセーフか?分岐まで行けばあとは舗装路下りで集落の県道まで降りれる。がんばれー、ってことでこっちも出る。

分岐まで戻った。ここから舗装路で南へ逃げるがすぐ暗くなるはず。水分補給とウェア類の調整して下りに備える。

そうこうしてるとビックオフが追いついてきた。意外と早いな。ここが分岐であとは舗装路降りるだけって伝えてこっちは先に降りる。舗装路ではあるが道路的にMTBの方が速い。というかエンジンかからんアフリカはライトONで県道までバッテリーが持たんような気がする、、、まースーパーテレネがあるから灯りは作れるからどーにかなるだろ。グッドラック!

不運あってもリカバリーできればどーということはない。こういう経験は歳とってからの語りネタになるので差し引きゼロ。それに不運と幸運はいろんなとこで繋がってる。こっちも雨で予定が2時間遅れたがそのおかげでビックオフトラブルに遭遇して語りネタが増えた。これも楽しみのうち。

まだ空は少し明かりが残ってるが手元は真っ暗。人工的な明かりはライトだけ。この状況下では優秀と思っていたTRS2の純正ライトでも役不足。ハイスピードな下り巡航には対応できないってことが身に染みてわかった。

光量そのものがもう一段上がいる。さらには横方向に強い光量でワイド配光がいる。曲がっていく先が見えない。速度が遅ければ対応できるけど下りでコーナーRがきついと見えた時には遅い。舗装路だけど落石が路面にポツポツと転がってたりする。このライトではリスキー。ハイビームを装備したもう少しW数の高いライトが必要。

一緒に行ってた方のTRS2にはメジャーメーカーのテスト品みたいなのがついてた。光量はTRS2純正よりも上。カットラインはきっちりと出てて横方向まで同じ明るさで配光がピシッと伸びてる。ライト自体を上方向に向ければコーナーの先も少しは見える。だいぶマシなので下りは先行してもらった。追いかける分には道路形状が推測できるのでTRS2のライトでもペース保てる。

走りに走ってR193との合流部分に到着。国道標識にホッとするがまだまだここから。国道とは名ばかりな道で山を越えんといかん。

黙々と登って恐怖の素掘りトンネル。周りは真っ暗。一人じゃ通過できんとこだな。

さらにひたすら登って、朝に入った林道入り口まで戻った。あと少しでピーク。まーピークからの下りも長いのだが、、、

ライト消すと星がどっさり。自分の手もロクに見えない真っ暗。星明かりに目が慣れるまでしばらく待たないと歩くこと自体が危ない暗さ。すげー場所だ。

雲早トンネルでピークを越えて延々と下り。さすがに判断力落ちて危ないのでペースダウンしてブレーキ引きずりながら降る。延々と走って神山町の集落まで下山。途中でデカい鹿が出た。ライトに反応してぶつかるタイミングで飛び出してくるので要注意。ぶつかるとタダでは済まない。

車に生還。予定より3時間遅れ。2時間遅く出てあれだけ余計なことすれば当然の結果。闇夜の下りがTRS2の純正ライトではダメだったことと、リアブレーキが変で繊細なブレーキコントロールができなかったのが想定外だった。まーノントラブルでも時間的には30分も縮まないだろうけど。

バッテリー残は1メモリで早め交換の残量と合わせても2メモリあるかどうか。走行91kmの獲得2600mぐらいでそんな感じ。やっぱり1本で1000m、3本で獲得3000mぐらいがリミットと思われる。

さすがに疲れた。撤収!
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