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2020.02.05
今回のショック調整は勉強になった。誉自転車でエアボリュームスペーサーの話が出なかったら気づかなかった。根本的にはマニュアルを本気で読んでない自分が悪い。TUNING GUIDEに記載はある。 ただし、個別の説明は書いてあるものの全体概念や好みに合わせるための指針はない。読んでもセッティング初心者にはよくわらん、ってのが実際のところ。ショックの年式によっても考え方が変わってる。FOXなら同じってわけでもない。 ややこしくて理解にくい話だが、、、今はネットで情報を搔き集めることができる。海外情報も含めて調べまくった。現段階で理解できた調整の考え方をまとめておく。
標準セッテイングは競技レベルで耐えれるようになってる。想像してたよりもかなり本気寄り。エアスプリングとして硬くボトムエンドへの立ち上がりも早い。トレイルポタリング的な走りではストロークを有効に使えない。硬く締まった足回りのレース車で緩いドライブしてるような状態(それでも動き出しがソフトなのがFOXの特徴だが、、、) ならば用意されてるダイアルとかエア圧で調整って考えがちだが大間違い。エア圧は規定されてるサグの範囲で調整する前提になってる。圧を下げればスプリングレートは下がる方向だが同時にサグが増えてしまう。指定は、BomberZ1は15〜20%、Float DPSは25〜30%。要するに規定範囲に合わせるのが主で微調整のみ可能。 ダイアルでの調整はリバウンド。この位置はエア圧で決まる(TUNING GUIDEに表がある)。サグ調整した時点で基準位置が決まる。好みで微調整はできるが大きく触るモノではない。 このままでは競技レベルの特性で微調整ができるだけ。エアスプリング特性そのものを変えないとどーにもならない。 そこでエアボリュームスペーサーの話が出てくる。標準状態では真ん中のラインにセッティングされている。緩い走りでストロークを有効に使うにはこのラインを下げる必要がある。このラインはエアボリュームスペーサーの数(体積)で変わる。 使用の想定シーンが違う場合は最初にここを変えないと話しにならない。スペーサーを減らすとバネレートが下がり、ボトムへの立ち上がりは緩くなる。スペーサーを増やすとバネレートが上がり、ボトムへの立ち上がりが強くなる。 競技走りしないなら、 「まずはスペーサー全部外せ」 ※ショックによっては全部は外せないタイプもあるので規定の範囲内で。 外すと一番下のラインになる。BomberZ1はスペーサーの数で調整する仕組み。27.5用の160mmストロークでは標準2個。なし〜7個までが調整可能範囲。 Float DPSはスペーサーの厚みで調整する仕組み。軸長230mmの65mmストロークは「0.2in^3」のスペーサーが標準。なし〜「0.8in^3」までが調整可能範囲。 競技走りをしないなら全部外したとこが基準位置と考えていい。フルボトムする過激走りになったら足せばいい。私の場合は足すことは永遠にない。この状態でもストロークは余る。
サグは伸び側ストローク。サスペンションは人間が乗った1Gの静止状態が基準。そこから縮み方向と伸び方向で動かないといけない。 なぜ伸び側が必要か?それは平坦状態から凹みに入ったときの為。伸びないと凹みの底に落ちるまでタイヤの接地が失われる。タイヤが離れない程度の凹みでもサグがないと接地圧が急激に下がる。グリップを安定させるには1G以下になった時にサスが伸びて接地圧を確保しないといけない。この動きを作るのが伸び側ストローク。 概念的には昔からあって全体ストロークの1/3ぐらい与えるのが基本。縮み側が2倍なのは重力かかるので縮む側の方が仕事量が多いから。理屈的には縮み側が使いきれてないなら1/2で設定しても問題ない。1Gの車高が下がるだけ。 なのだが、、、FOXみたいなレーシングショックはそうもいかない。ギリギリの高性能を追求しているのでストローク全域が同じ特性ではない。指定のサグ基準で上下する時に最高の減衰力性能が得られるように設計されている。 BomberZ1は、15〜20%の指定。 Float DPSは、25〜30%の指定。 この範囲で設定しないと本来の性能を使えない。調整というより「指定に合わす」ことが前提となる。エア圧は自動的に決ってしまう。なので根本的な特性の変更はエアボリュームスペーサーの脱着でしかできない。 サグは5%の規定範囲で微調整できる。少しでも柔らかくしたいなら数字の大きい方に合わせる。当然ながら私の場合はZ1は20%、DPSは30%。
リバウンド設定はダイアルの真ん中が基準ではない。サグが取れた時のエア圧で基準位置が決まる。TUNING GUIDEの表に従って設定する。 ここまでを動き柔らかい方向で設定してるとエア圧として低めになる。エア圧が低いと指定のリバウンド位置はOpenに近くなる。バネレートが柔らかい方向だと早く深くサスが沈む。早く沈んだら早く戻さないと連続ギャップへの対応能力が落ちる。なのでリバウンドは弱い設定でバランスするという理屈。 好みでの調整は基準位置から3クリックまで。大きく変えてはいけない。
柔らかい方向に調整するとペダリングロスは多めに出る。ペダルを回す力でサスが上下して力が逃げがちになる。 それを抑制するのが 「open mode adjust」 上のクラスのショックには付いてる。 ペダリング程度の遅い周期の入力でのショック動きを抑制する機能。基本は1、抑制したければ2とか3にする。 E-Bikeは1でいいと思う。2や3にすると遅い周期のギャップ吸収を制限することになる。ペダリングロスとのトレードオフなので無理に変えるものではない。
1. エアボリュームスペーサーを全部外す。 2. サグを前20%、後ろ30%に調整。 3. リバウンドはエア圧からの指定位置。 4. open mode adjustは1。 自分の意思で特性として変えてるのは1だけ。2と3はFOXの指定に合わせる調整。指定範囲の中でエア圧が低めになる方に合わせてる。4はE-Bikeはペダルロス気にしないからデフォルト。 これがFOXが想定してる範囲での最も限界値が低い状態。この状態でも十分にレーシングショック。私の走り方程度ではフルボトムしない。 これで好みとしてはベストになった。柔らかくストローク感のある動き。角の尖ったギャップをショックが全力で動いて処理してくれる。大きめのギャップでも大きく深くストロークして衝撃を包み込む。人間への突き上げや衝撃は緩やかで非常に快適。求めてたのはこれ。 そして意外だったのは柔らかいのにリバウンド的なふわふわが少ないこと。柔らかく深く動くが揺れは最短で収束する。さすが最新FOXって感じ。
この方向で設定した場合の欠点は、 「限界性能が低いこと」 ま、そう設定したのだが、、、フルボトムへ向かってのスプリングレートの立ち上がりが弱い。なので限界を超える走りをした場合のコントロール性は悪い。 フルボトムまでは柔らかくソフトに動き、限界点を超えると一気に動かなくなる、。つまり、限界超えたら破綻が一気にくる。そこをコントロールするのは非常に難しい。 柔らかい足回りで攻めた走りするのがリスキーなのは車やオートバイでも同じ理屈。限界を超える過激走りする人には向かない。私はこの設定でフルボトムする走り方じゃないので非常に快適。 |
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FOXショックの調整まとめ
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