12V出力を作ってTRS2用ライトをフル光量で使う

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2022.08.17



さてコツコツとPS1をいじっていく。定番の自転車パーツ系よりも先に手をつけたいことがある。PS1に12V出力を作りたい。たぶん買ったばかりのPS1で同じことをする人はいないはず。誰ともかぶらない改造ほど楽しいモノはない。

※電気系の深い知識がない人はマネしないで下さい。やりたいなら電気を学ぶとこからです。失敗して壊してもメーカー保証は受けられません。理屈を完全に把握した上であえてリスクをとって楽しむ改造です。軽い気持ちでやると痛い目にあいます。

PSA1ではディスプレのUSB出力から電源を取ってTRS2用ライトを使ってた。TRS2用ライトの電源仕様は6〜12V。なのだが優秀なことに5Vでも実力として点灯する。これを利用してUSBから5V電源を取って点灯させてた。5Vでも実用になる明るさだが本来のフル光量よりは少し落ちる。

PSA1ではズルズルとそのままにしてたが、PS1に乗り換えて心機一転。PSA1で中途半端になってたことを最初から徹底的にやる。

個人的に電気系が納得できない状態なのは最も耐えられない。巨大なバッテリー電源を持ってるのに有効に使えないとか我慢ならない。サイクルモードの時にBESVに「12V出力を装備してくれ」って要望入れたけど反応鈍い。仕方ないので自分で作る。


バッテリーの差し込み口周辺をバラす。メインコネクターのすぐ後ろにコントローラーユニットがある。構成はシンプルイズベスト。端子は4つで2つがメイン電力、もう2つが通信用の線か?それらケーブルは最短距離でコントローラーに直接入ってる。中継コネクター無し。

動きとしてはバッテリーをこのコネクターに挿した状態でキーをONにすると、通信線で車体側とやり取りしてバッテリーが車体に繋がってる状態か確認。確認とれたらメインの電源線に36V(実測値では満充電だと41Vぐらい)が出力される。

つまりメインの電源線から横取りすればキーON連動で元電源が得られる。メイン電源は出力400W台まで大丈夫な設計になってるので余裕がある。数十Wぐらい横取りしても問題はない(大丈夫だけど推奨しないと強く言われたけど。まー当然だわな。リスクは自分でかぶるので許せ)。


PS1を部屋に入れてじっくり解析する。コントローラーからは3本のケーブルが伸びてる。前方へ太いのがフェライトコア付きで伸びてるやつはディスプレイへ。下方向への太いのはモーターへ。下方向の細いのはトルクセンサーへ。どれもコントローラー直後にコネクターで接続されている。

コネクターを外せば取り外せそうだ。外した反対側のケーブルがフレームの中に落ち込むと取れなくなるので要注意。


コントローラーを外した。これで作業がしやすくなる。いろいろ考えたが配線途中からの分岐は線が短いので厳しい。コネクター裏の端子に追加で横取り配線をハンダ付けする方が安全か。すでにメイン配線がハンダ付けされてる上からなので少々テクはいるがどーにかなるだろ。方針決定!


配線をいじる前に今回採用するDC-DCコンバーターの動作を確認しておく。TRS2AMに使ったDC-DCが60Wまでいけて都合よかったのだが入手不能になってる上にサイズ的にもフレームに入らないっぽい(入り口が通らない)。なので今回は18Wの小型DC-DCを選択。



入力は15-55V、出力は12V/1.5A(18W)Max。ライト6Wとグリップヒーター12W(ぬるめ適温)で上限ギリギリと思うと心もとないが仕方あるまい。ヒーター使うのは寒い冬場だからDC-DCの出力MAXでも発熱は問題ないはず。実用には耐えるだろ、って想定。

ちなみにiPhone充電は素直にディスプレイのUSB端子を使う予定。あれも急速充電時は7Wぐらい使うのでUSB端子が標準装備されてるのはありがたい。USB-C -> ライトニングの短いケーブルを探さんといかんな。L型端子のやつってあるんだろうか?


バッテリー相当の電源装置につないで動作を確認。


電圧は36〜42Vぐらいまで可変させて状態を見る。


出力側はキッチリと12V。安定してて問題なし。


DC-DCの出力側にTRS2用ライトを接続するとフル光量点灯。問題なし。


ではコネクター側の横取り配線加工を開始。絶縁収縮チューブの端をちょっとカットする。ハンダ面が見えるのでここに追加で配線をハンダ付けする。


配線追加した。熱量が大きめのハンダごてを推奨。うちのはボタンで切り替え式。ただハイワットなハンダごてでモタモタ作業するとハンダが溶けすぎて元の配線が動くリスクがあるので程々に。

ケーブルはどんなやつを買ってるの?って聞かれることあるが、実はほとんど買ったことがない。基本的に流用品。今回の配線は冬に買ったグリップヒーターの電源線。かなり長いのが付いてたのでTRS2AMに付けた時はカットして最短で使った。その残りを再利用。あとは古いACアダプターを捨てる時にDCラインの配線を取っておいて再利用とかもよくやる。

売ってる単品配線よりも何かの製品で使ってる配線の方が工夫されてて都合いいことが多い(2本線がくっついてたり、識別できるように片方にラインが入ってたり、2本まとめた保護外装があったり、などなど)。ただし線を見て特性と意味を見分けれる知識がいる。見分けれないのに流用するのは危険。


剥き出しのとこをホットボンドを塗って絶縁しておく。


横取りした電源はDC-DCの入力に接続。DC-DCはコントローラーの奥に抱きつかせる形で半一体化した。ケース部分はフレームの内側に当たってカタカタしないようにクッションテープを巻いた。


出力側の配線はDC-DCの出力線に細いヒラ端子の受けを付けて、延長ケーブルでフレーム前方へ伸ばす構成。こうやっとくとDC-DCのとこでヒラ端子を外せば、前方への配線を残して今までと同じようにコントローラーを取り外せる。


さて、実車テスト。ケーブルを全部つないでコントローラーは剥き出しのままバッテリーを接続して電源ON。


システム起動。ディスプレイ表示&ボタン操作に問題なし。


12Vラインに接続したTRS2用ライトも問題なく点灯可能。念の為に出力ラインの電圧も計るが12Vでバッチリ。


コントローラーをフレーム内に収納してバッテリーのレールなどを元に戻す。この作業は自転車を逆さにしてやらないと難しい。


バッテリーレールとフレーム間には薄いスペーサーが入る。上向にやるとイリュージョンみたいなことをやらんといかん。ほぼ不可能。


車体が逆さならフレームにスペーサを置いてからレールを取り付けられるのでだいぶマシ。


取り付け完了。バッテリーレールの位置調整が妙にシビアだった。仮止めして軽い脱着を確認した状態から本締めすると急に固くなる。ビミョーな調整を繰り返して妥協点を見つける感じ。フレーム形状の関係でPSA1とマウント位置とか角度が少し違ってるのが影響してるのかな?


配線を出す穴のフタは余計な配線が追加されたから使えなくなった(標準ケーブルキッチリに切り欠き加工されてる)。自前でフタを作るか、、、


ライトはバッチリとフル光量。


ライトボタンもちゃんと光ってる(当たり前か)。アシスト走行も問題なし。12Vラインと作成とライト駆動は成功。電気系改造の第一弾はこれで完了。第二弾は、、、まだナイショ。

とりあえず大きい山を越えたので次は自転車パーツ系を交換。自転車的なフルノーマルから脱出が先。


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