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晴れの剣山スーパー林道へ

2024年 09月23日

晴れっぽい感じだったので先週に続いて剣山スーパー林道へ遠征。前回は雨と霧で散々な天候だった上にHIGHモード固定で走ったら想定よりもバッテリー消費早くて最後に人力で登るハメになって散々だった。ま、おかげでMSBRに向けて良いデータは取れたのだが。

今回は同じ区間をECOモード固定で走ってみる。走り方も前回と同じく『イベントレベルで頑張ってキツい状態で走る』。これでダート環境でのHIGHモードとECOモードのバッテリー消費の差を実力値として出す。

過去の経験から登坂では緩く走るとHIGHとECOの消費の差はほとんど出ない。10km/h以上の速度で緩いペダルで登るHIGHに対して、1桁速度&軽めのギヤでノロノロと緩いペダルで登るECO。頑張ることなくアシストに頼るとECOの方がゆっくりなだけで同じ目的地まで登るとバッテリー消費の差は誤差レベル。

理由は簡単で『同じとこまで登る』という条件なら人間側の総出力が同じだったらモーターが使う電力量も同じはず。カタログの違いが出てる数値は『同じ速度で走った場合の差』。同じ速度なら明確にアシスト比率が違う。モーターと人間の負荷比率が違えば消費が違って当然。

では実走行でのECOモードの意味は?となるのだが、個人的には『アンダーパワーなことで人力を足しやすく頑張り次第でハイブリッド比率が人力寄りになる』と理解してる。負荷比率を人間側に引き寄せやすいわけである。

HIGHモードで人間負荷を高めて走れば理屈は同じだけど速度が出るとやりにくかったりする。実際のところその差がどのぐらいなのか実証実験。

まずはR193から東側の区間へ。昨日の雨で表面の土が流れてガレ気味。こっちの区間は傾斜きつめなとこ多い上にガラガラに荒れたり溝があったりと走りごたえがある。なんちゃってSUVでは走破がしんどいとこもあるのでクロカン車以外は入り込まない方が無難。

こういう路面を走行すること自体が走行抵抗大きくてバッテリー消費に影響する。前回の結果から舗装路とゴツゴツなダートではバッテリー消費が20%以上違う感じ。舗装路なら獲得標高1500mぐらいいけるのにダートオンリーだと1200mに届かずにバッテリー終わる。この違いを頭に入れておかないと林道でハマる。

岩を削って通した道。豪快である。

気温16℃ぐらいで肌寒い。中厚アンダーに夏用ジャージでは負荷かけ続けてないと寒い。下りはウインドブレーカー併用。昨日までは夏だったはずなのに突然秋になった。

気温は低めだけど日差しは鋭い。暑くはないがチリチリくる。

ECOモードのデータ取りなので走行時は全力で頑張ってるが、先を急ぐ必要はないので断続的に停車してのんびり写真撮影。晴れてるからのんびりしやすくて最高。

申し訳程度のコンクリブロックの向こうは木のてっぺんが下に見えるような崖。あんまり近寄らないのが吉。

こんなとこによく林道通したよなぁ、という両側に削られた岩の道。

地層はナナメ。

前回は真っ白だったのでパスした絶景ポイント。めっちゃ風強い。しかも風が冷たい!

秋どころか冬へ足つっこみかかってるような気温だけどお陰で虫はまったくいない。ある意味快適ではある。

東側のダート区間終了。スーパー林道としては右方向なのだが前回と同じルートをトレースするので左へ。休憩所の東屋まで行って折り返してくる。

前回は雨でべちょべちょになって飛び込んだ東屋。今日はなんと爽快なことか。

ここは四国のみちのようだ。怪しいルートがいろいろ書かれてる。

絵に描いたような爽やかな環境。デイキャン装備あったらここで半日消えちまうぞ。

向こうの山に風力発電の風車が大量に見える。上勝町方向の山っぽいな。

腹が減ってきた。来た道を戻る。

登ってきたとこが下りに変わる。ガレてるとこをすっ飛ばして下る。このぐらい大きな石は踏んでも動かないのである意味走りやすい。路面に浮いてる拳大の石が結構な曲者で踏むと動くのでバランス崩しやすい。ライン取りは大事。

R193まで出てきた。

西側区間の入り口までちょっとだけ舗装路。

ここはいつも紅葉が綺麗なんだよなぁ。今年は紅葉タイミングで来れるのだろうか。MSBRの最終調整としてタイミング合わせたいところ。

剣山スーパー林道の西側区間へ。こっち側はあまり荒れてないけどダート区間は恐ろしく長い。ファガスの森を超えて深く入り込むと乗り物がトラブったら遭難なので備えはしっかりと。当然ながら携帯電波もほとんど入らない。

ファガスの森は営業中。ランチを頼れるのはほんとありがたい。

激坂にゴー。

西側区間の路面はわりと綺麗。でもジャリジャリした石がパワーを食う。ファガスの森を超えて1500mの最高高度地点までひたすら登りなので人力のみでは途方に暮れる。王滝トレーニングでは走ったけど、今思えばクレイジー。ECOモードで踏んで走る方が100倍マシ。なにより10km/h以上の速度が出るので進む。人力のみは超高負荷で5km/hの世界で進まなさすぎて気分的にヤラれる。

晴れのパリッとした景色もサイコー。

雲が流れてきて陰ってきた。山の天気は変わりやすいな。雨はないだろうけど冷え冷えで寒い。

ファガスの森に到着。だいぶ距離感つかめてきた。7km登坂は舗装路なら近いけどダートでは遠い。その感覚分がバッテリー消費にも現れる。

ラーメンと迷ったが、シカカレーをオーダー。どーせまたくるからラーメンは次回の楽しみにとっておく。

ここまで走っただけで足がだいぶヤラれてる。やっぱりECOモードは人間負担大きい。踏めるだけ踏んでると最後までもたなくなるので加減しないといかんな。

疲れてるときのカレーはサイコーにうまい。体力復活!

建物の中は電波無いけど外ならdocomoはギリギリ通信可。

ランチ後は最高高度ポイントまで。ガードレールがクシャってる。

こういう巨大落石がホントにあるから怖い。

やたら冷えると思ったら気温14℃。ウインドブレーカー着てても寒い。

雲が出てすっかり日陰。負荷を上げて寒さと戦う。

徳島のヘソ。曇ったけど景色はよく見える。

向こうの山は日向なとこあるな。

真っ白じゃないからフクロウもごきげん。

鳴門方面。空気白いがなんとか見える。

目一杯トリミングすると鳴門の橋あった。

徳島のヘソから最後のひと頑張りで登って林道の最高高度地点に到着。

今日の1500mはめっちゃさぶい。

バッテリー残量は表示2メモリで実質は1.5メモリ以下と思われる。前回のHIGHモードではここで1メモリ以下だった。ここから戻るけどひたすら登ってきたからR193までは下りダートなのでバッテリー消費はない。R193から向こうが舗装路の接続部分で115mの登り。前回はその途中でバッテリー終わったけど今回は余裕でクリアしそうだ。

まだハブを交換してないので相変わらず6→5速で変速不良が出る。人力登坂では使わないけどアシストONで登坂するとよく使うとこなので使いにくい。1つギヤを軽くして頑張るとこで2個軽くするしかなくて失速しがち。ハブ交換で解消することを願いたい。

R193まで豪快にダートダウンヒル。やっぱ個人的にはトレイルより林道ダウンヒルの方が楽しいな。道幅が広いし車が通る前提だから傾斜が常識的。荒れてガレてても許容範囲に収まってるので安心して走れる。

元の場所まで戻った。バッテリー残量はまだ2メモリ表示のまま。感覚的には1メモリちょっとと思われる。つまりHIGHモードとECOモードでバッテリー消費は20%の差。その20%の負荷は人間が負担したことになるが、実際のところ前回よりも足の疲労は大きい感じ。MSBRでは2倍以上の獲得標高と3倍の距離なのでこの負荷を通して続けるのは難しい気がする。ペース配分がシビアだなぁ。

残ってるバッテリーでどれだけ登れるのか確認。登り出すと2メモリの表示はすぐに残1メモリに変わった。最終的にダートで獲得標高250m登った時点でOFF。ほぼ1メモリ分が残ってた感じ。

つまり、剣山スーパー林道のダート環境ではHIGHモードで1150m、ECOモードで1430m登れる。バッテリー消費の差は約20%。そして舗装路ではHIGHモードで1500m登れるので、ダートではバッテリーを20%以上余計に消費する計算になる。石ゴトゴトやジャリジャリの走行抵抗でタイヤの転がりとして20%以上負荷が高いと思われる。

この結果から推測すると舗装路登坂をECOモードで追い込んでやれば1800mぐらい登れるんだろな。やらんけど。

速度差は登坂時で約5km/h。HIGHで15km/hのとこをECOだと10km/hって感じ。時間としては500mぐらいの山を登ると15分ぐらい差がつく。HIGHの方が20%余計に消費するが、この15分でバッテリーを充電すると40Whを追加できる。40WhでHIGHモードだと90m登れる。18%分を取り戻せるので差は2%まで縮む。なんとも面白い。

タイムとしては同じだけどHIGHの方が理屈的に足への負担が20%少ない。次の充電ポイントまでバッテリー残量があるならHIGHで走って充電に時間かける方が疲労の差で有利になる。まー、MSBRのアルティメットはそもそも1つめの充電ポイントにECO一択でもバッテリー足りないのだが、、、

この傾向は他のE-MTBでも同じはずだけど、実際の数値は脚力と体重(自転車含めた総重量)で大きく変わってくる。踏める人ほどバッテリー消費は下がり、総重量が重いほど消費は増える。乗りまくって肌感覚を鍛えておかないと残量で走れる標高を判断するのはかなりムズイ。自分で実測が大事。

今日もよー走った。撤収!
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