2019.03.20
購入から1ヶ月、一通り試した段階でのBURLEY COHO XCのインプレ。 ざっくりの感覚として私の使い方ではJourneyよりベストに近い。 スルーアクスル だけの問題なら新しく追加されたJouney Trailer TXで対応できる。 でも、TXではスルーアクスルに接続できるだけでJourneyの不満点は変わらない。 COHO XCはバカみたいに高い。 ドライバッグが付属しないトレーラー単体で8万もする。 追加でドライバッグを買うと10万コース。 ドライバッグ付きJourneyの倍額。 それだけの価値があるのか?ってことだが、、、 「唯一無二の価値は大きい」 COHO XCにしかない機能や特徴がツボると選択肢はない。 購入前は情報が少なすぎて迷いに迷ったが実走した結果として買って正解だった。 一輪トレーラーの価値やウンチクはJourneyの時に詳しく書いたが、自転車の走行感と機動性を保ったまま荷物付きポタリングできるという面で非常に優れている。 最近ではバイクパッキング(自転車のあちこちに小型バッグつけてバランス崩れないように分散パッキングする)という方向もあるけど、トレーラーの40×70×35cmの箱型スペースに適当にモノを入れられる感覚は別次元。しかも低重心。 二輪トレーラーとも根本的に違う。 あれはトレーラーは水平なままで自転車のバランス具合とは無関係。 自転車側が楽勝な高速旋回でもトレーラーは遠心力の限界を超えると横転する。 タイヤの走行ラインも自転車側とは違う場所を通り、片輪が大きな段差やミゾ踏むとその衝撃で横転する。 まさに自転車で台車的なモノを引っ張ってるだけの状態。 一輪トレーラーは自転車と一体の動きになる。 自転車の傾斜はトレーラーにも連動し旋回Gを一体となって打ち消す。 基本的に自転車単体の走行感覚の延長。 タイトコーナーの高速旋回も問題ない。 そして、トレーラーの車輪が通るのは自転車のタイヤが通過したライン。 段差を避けた狭い通過ラインや水溜りを踏まないギリギリの走行、路肩のグレーチングをスレスレで踏まない走り方など自転車的な走行感そのままで走れる。 とまぁ、この辺の一輪トレーラーとしての基本的な特徴はJourneyもCOHO XCも同じ。 その上で違う部分を詳しくレビュー。 使い勝手での大きな違いは、 「どこでも自立して止めれること」 そもそもトレーラー関係なくスポーツ自転車は自立して止められない。 高額な自転車ほど絶対にできない。 なぜか業界全体がスタンド不要論を説いている。 「立てかければいい」って言われるが、何もない場所では無理。 そう言うと「そんな場所で止まらなければいい」って話になる、、、 もはや何かの信仰かと思う...不便を言う方が間違ってるような空気。 クソ高いんだからカーボンの格納式本気スタンドとか開発しろよ... COHO XCにはスタンドが付いている。 オマケ的なモノではなく自転車を含めてガッチリ自立できる本気の両立スタンド。 激坂途中でも安定に駐輪できる能力がある。 こういう実用面を本気で考えてる設計には惚れ惚れする。 開発してる人らが本気で使って遊んでる感がある。 Journeyはガードレールなどに立てかけるか、接続部分を最大まで折ってトレーラーの角を接地させてアームで自転車を支えて止めてた。路面が水平でないと自転車が安定しないので苦労してた。 何も無いところでは真っ直ぐ自立させた写真を撮る為にペダルに付けるスタンドを併用していたが、、、ブレーキをベルクロなどでロックしてペダルにスタンド差し込んで長さと位置調整し、ギリギリでバランスさせて自立。時間かかるし、ちょっと外乱があるとひっくり返るので超リスキー。 このストレスから完全に解放された。 個人的にはこれだけでもCOHO XCに変えた価値があった。 何十回、何百回と積み重なる時間ロスと作業ストレスはバカにならない。 ポタリング途中で頻繁に自転車から離れて写真撮る身としてはもうJourneyには戻れない。 さらに追加でじわじわくるのがレバーでの脱着。 一人で自転車支えつつ脱着できるのが便利って機能。 出発前や帰宅後の作業が楽ってだけじゃない。 これが出先で意外と効いてくる。 細い道で向き変えたい時に外して自転車とトレーラーを別々に向き変えて再接続とか、繋げたままでは長さ方向が確保できない時に外して並べて駐輪とかむちゃくちゃ便利。 切り離しと再接続の作業にストレスがない。 これはJourneyと比べると革命的。 ついでに言えばスタンド効果で切り離してもトレーラーは水平のまま安定駐輪できる。 このレバー、単純に引くだけでロック外せるのがやや問題。 意図せず当たるとロック外れる。 上に持ち上げなければ接続は外れないものの、レバー自体のロック機構が欲しかった。 まー気になる人は自分で対策しろ、って部分だろうけど、、、 本気で遊ぶと効いてくるのがこの収納性。 工具なしでこの状態にできる。 ちゃんと考えてるなぁ、と感心する。 自宅からスタートのポタリングばかりするわけじゃない。 いい場所をポタリングするには車での移動も必要。 そんな時に自転車とトレーラーを車に簡単に積めるのか?ってのは重要なポイント。 Journeyはとっても苦労した。 あれはそんなシチュエーションを何も考えてない。 COHO XCはこの箱型空間があれば積みこめる。 そして最も特徴的なのが不整地の走破性。 通過だけならJourneyでもどうにかなるがCOHO XCは次元が違う。 少し高めの地上高とサスペンションの効果は大きい。 標準サスでも衝撃緩和効果はあったがFOXに変更してリバウンドも消えた。 荒れた場所を激しく走っても荷物へのストレスは最小限。 ジオメトリー的によく考えられてるのか起伏の激しい部分でもギリギリ引っかからず走れる。 通過できるというより走れる。 ほぼどこでも走れる感覚。 トレイルポタリングの範囲で走るにはまったく問題なし。 走りだけでなく載せてる荷物に対しても問題がない。 ただし、エンジンは人間。 登り方向は根性がいる。 舗装路の登りはほぼ問題ない。 Journeyと同じでトリプルXTRの軽いギヤがあれば20%クラスでも対応できる。 でもシングルトラックでは一瞬だけの突起的な激坂や緩い登りだけどガレてるとかある。 そういう「一瞬だけパワー&速度がいる」って状況は厳しい。 荒れた登り方向は人間側の脚力次第。 サスペンションの効果は荷物の衝撃緩和だけでない。 特にFOXに変更してリバウンドが激減したからかMTB側への変な挙動が少ない。 発進や登り以外では体感的に軽いトレーラーを引いてるのかと錯覚する感じ。 実際には重いのだが、、、 COHO XCの欠点は重量。 スタンド、レバーでの脱着、サスペンション、と実用性抜群の機能を搭載してる代償は重さ。 アルミ製で軽い設計にはなっているがそれはJourneyでも同じ。 機能性や強度の為に構造増えてる分は理屈的に重くなる。 ドライバッグなしのトレーラーのみ重量では、 COHO XC(8.5kg) vs Journey(5.2kg) 3.3kgの差。 ドライバッグはBURLEY純正の方が720g軽いのでバッグを含めた実際の基準重量では少し縮んで、 COHO XC(9.4kg) vs Journey(6.82kg) 2.58kgの差。 つまり、COHO XCはJourneyの時より、 「2.58kg重い」 Journeyに椅子とコーヒセット積んだ状態がCOHO XCの空荷。 COHO XCにいろいろ載せると、、、そりゃ厳しいわな。 体感的な牽引感は重くない。 衝撃吸収効果と安定性のおかげで軽いと錯覚するぐらい。 登りでも体感的な重量増は感じない。 が、ギヤは知らないうちに軽いやつになっている。 速度も出てない。走りやすいが遅い。 そして、きつく感じないけど足へのダメージはじわじわくる。 長距離走ると後半は速度が出ない。 結果的にアベレージは少し落ちるものの、 「ポタリングなら問題なし!」 ポタリングで大事なのは速度よりも走行感。 実速度が遅めでも快適に感じる走りができるなら問題ない。 そういう意味では合格。 まとめ的には、 本気で遊ぶ人にはCOHO XCはオススメ。 高いけど使い込めば納得する。 ただし、アメリカ的な大雑把さもいろいろある。 細かい部分はDIY対処する前提。 そういう意味でも本気の人向け。 それにしてもライトウェイが在庫持ってることが驚きだった。 いろいろ文句もあるが日本で簡単に正規購入できるのは感謝に値する。 正直、COHO XCは売れる商品とは思えんが、、、 香川県付近で興味ある人がいたら「誉自転車」で相談してください。 私が行けば実車見れます。 興味ある人はほぼいないと思うけど...(^^; |