E-MTBとしての能力と504Whの限界

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2019.11.14


TRS2AMを購入してから2ヶ月半。走行距離は1390kmになった。淡路SWEETでロング走ったもののまだ生煮え状態。TRS2AMの限界性能は試せてなかった。

E-MTBとしての本来の性能。ダートやトレイルを含む山岳路中心での能力。人力MTBではマネできない遊び方での限界値。登りトレイル散策剣山スーパー林道走行でよーやく見えてきた。

さすがに標準構成そのままでは辛い。TRS2AMは価格を考えれば絶妙なバランスで構成されている。コスパは素晴らしいのだが絶対的な性能にはやや無理がある。

特にフロントフォークは最初に変更することを推奨。体感的な部分でコストダウンのしわ寄せがここに偏ってる印象。フォークを交換することでワンランク上のMTBに化ける。舗装路メインでも乗り心地が改善されるので効果大。

 過激トレイルは登りで遊ぶ

MTBでのトレイル遊びは下りが常識。傾斜きついトレイルは乗って登れない。舗装路で登ってトレイルを下る遊び方になる。走る場所もアクセス条件のいい山やトレイルに偏る。しかし、条件のいい場所や時間帯は他人と被る。ハイカーとも被って出会いやすい。下りは速度出るので出会うだけで悪印象を与えて問題になっていく、、、

TRS2は登りで遊べる。下り方向しか考えられない場所を登って遊ぶ。ライン取りとバランス感覚と繊細なトラクション確保。10km/h以下の世界だけど難しくて面白い。速度が遅いのである意味安全。

上から下へという一本道の走りをする必要はない。短い区間を何度も行き来して楽しめる。トレイルへのアクセスも自由が効く。ハイカーがいない場所や時間帯を積極的に狙える。

MTBがトレイル走るのをいい顔しないハイカーは多い。トレランにすらいい顔をしない。共存して山で遊ぶには出会わない努力が必要。歩いてる人に会わなければ問題にならない。E-MTBはそれがやりやすい。

楽しく登れるって部分はE8080の性能の良さも大きい。マージンの大きさには文句も多いが山に入ると評価は変わる。低速でのトルクとレスポンスは素晴らしい。自分の足裏とシンクロして繊細に滑らかに登れる。まだまだ進歩の余地はあるけど楽しく遊べる性能は確保されてる。

 トレイル遊び中心だとバッテリーは半日で終わる


トレイル中心の遊びでは504Whのバッテリーは半日で終わる。午後遅めから自走で山へ向かい断続的にトレイルに入って登る。違うポイントへ行くのに舗装路を登って移動。また登り方向のトレイルに入る。さらに舗装路で山を下り平地移動して別の山に登り直す。もっと軽いギヤが欲しくなるような登りトレイルで遊びまくる。

そんな移動と遊び方をするとバッテリーはグングン減る。休憩しつつ3時間も遊ぶとバッテリー残は1.5メモリ程度。体もだいぶクタクタで十分に遊んだ感。E-MTBでも過激トレイルは脚力使わないと登れない。モーター補助とハイブリッドだから登れる。バランス取るのは全身運動なので運動量は相当なもの。足はパンパンになる。

その状態から残ってるバッテリー使って舗装路で山を越えて帰る。人力MTBだと途中で日没になってしまう。それ以前に人力だと登る気がしない。

TRS2は疲れた足でも軽い運動感で15km/hぐらいで登れる。まったく問題なく山を越えて帰還できる。そうやって遊ぶと4時間足らずでバッテリーはほぼ空。これがE8080+504Whの実力。全力で遊ぶとバッテリーは半日で使い切ってしまう。

 COHO XC付きでダート込みの山岳路ロングポタ


私がE-MTBに求める本命はロングポタ。ダート込みの山岳路を自由にウロつきたい。ポタリング感覚で高低差関係なくどこにでも行きたい。

RZ120でもトレーラー牽いてポタしていたが行動範囲が狭い。平地はそこそこ動けるが山岳路登りでは移動速度は5km/h以下。体力的にも時間的にも獲得標高1000mぐらいが上限。

その不満をTRS2AMは一気に解消。COHO XCを牽いても負担感はほとんどない。常識的な登りはHIGHモードなら15km/hぐらいで走れる。荒れたダート登りでもまったく問題ない。

小石ゴロゴロの下りダートはまだ調整不足。RZ120基準だと衝撃吸収の滑らかさが足りないので走りにくい。タイヤ空気圧とサスセッテイングの詰めがもう少し必要。でもまぁ普通に走るには問題ない範囲。

COHO XCはオプションのファットタイヤがいるかも。細いタイヤではガタガタと振動音がうるさい。ファットタイヤを超低圧で使うのが正しい気がする。

条件整えば1日使ってポタできる範囲は驚異的に広がる。移動速度から考えて獲得標高3000mぐらい走れてしまう。そうなると問題になるのはバッテリー。1本では獲得標高1500mぐらいが安全ライン。抑え気味のルートで走っても山岳路中心だと1日もたない。

途中補充電かスペアを持つか?充電するポイントが存在するとしても滞在時間の問題がある。ランチ時に電源借りて充電しても滞在は1時間ぐらい。補充電量としては150Whぐらいか。全行程を650Wh程度で組み立てる必要がある。獲得標高だと2000m程度。

スペアバッテリーがあれば獲得標高3000mまで問題ない。ポタとして走ると時間の方が先になくなると思われる。補充電も不要なのでルート選択に制限はない。

やっぱスペアが欲しいな。本気で入手を検討しよ。

 山道登坂ではECOとHIGHのバッテリー消費は同じ


山岳路では高負荷な登坂と無負荷の下りが大半を占める。そんな条件ではECOもHIGHも同じ場所まで走るとバッテリー消費は同じ。ECOの方がバッテリー節約になると思いがちだが大きな勘違い。

理屈で考えれば当然の話。電気モーターのエネルギー効率は95%以上。回転と出力トルクが想定の範囲なら効率は安定してる。出力の上下でバッテリー消費は上下するが速度も上下する。その効率が同じであれば同じ場所まで移動するとバッテリー消費は同じ。単に移動が遅いか速いかの違い。

意識しなければ人間側は同じ体感負荷でペダル回す。常識的な山道を登る時、ECOだと12km/h付近、HIGHだと15〜16km/h付近でバランスして登り続ける。アシスト比率として概ね1:1の付近で登ってる感じ。

ECOとHIGHで登坂時のアシスト比率はほぼ同じ。となると同じ場所まで登るのに使うアシストエネルギー量もほぼ同じ。弱い出力で時間かけて使うか、強い出力で短時間で使うかの違い。

実際に神山-剣山スーパー林道-上勝のルートの往復で試した。往路はECO、復路はHIGH。どっちもバッテリー3.5メモリ程度を消費。ECOの登坂が遅いだけでバッテリー消費はほぼ同じだった。

じゃあECOモードは何がECOなのか?それは同じ速度で走るならバッテリー消費が少ない、って話。同じ速度の前提ならモードでアシスト比率が違う。ECOで12km/hで登る坂をHIGHで同じ12km/hで登るとペダルはスカスカ。あえて同じ速度に保てばHIGHの方がバッテリー消費が早い。

それをECOと表現するかどうかはビミョー。電気エネルギー側の総量は何も変わっていない。人間側が極端に楽することでハイブリッドバランスが違ってるだけ。

まー平地走行では人間側が意識せずに負担増やしてカバーする余裕がある。そういう条件では見かけ上はECOっぽく機能するかもしれない。それ以前に平地ではアシスト領域外がほとんどだからバッテリー減らんけど。

私は常時HIGHで使う。

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