XT Di2化して11-46の11速に変更

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2020.02.13



さて何から語るか、、、

元々は時間をかけて12速化を本命として考えていた。RZ120ではXTR-Di2のトリプルのシンクロシフトで15速相当。その状態と比較すると12速でも足りない。11速なんか眼中にもない。

しかしシマノの12速は現時点で機械式のみ。Di2の12速は発表すらされてない。いまさら機械式に逆戻りはしたくないので待つしかない。

その上、12速を調べると様々な問題がある。12速対応にはハブを変える必要がある。ということは新しいホイールがいる。シフター、ディレーラー、スプロケ、チェーンリング、チェーン。12速のDi2が出ても総額は恐ろしいことになる。さらにE-Bikeならでのは厄介な問題が、、、

「12速チェーンリングの入手が困難」
「Di2が動かない設定になってる」

もうゲンナリする。すべては型式認定をガチガチに守るため。標準パーツから交換すると型式認定外になる。なので交換させないためにシマノが制限かけてる。

「型式認定なんかいらん!」

パーツ交換して型式認定から外れても違法でもないんでもない。お墨付きがなくなるだけ。メーカー販売時は必要かもしれんが買った後はどーでもいい。ショックとか他のパーツを交換してる時点ですでに外れてる。趣味の自転車でパーツ交換しない人っているのか?合法範囲の遊びを制限するなよ。

そういう流れでムカムカしてた。とは言うものの12速のDi2は現時点で存在しない。さすがに年内に発表するとは思うが実際にデリバリーとなるとだいぶ先。E-Bike特有の問題が解決できるかどうかもモノが出てからの話。当面は標準の10速で乗るしかない。現時点まで2350kmを10速で乗り倒した。不満ぶつぶつ漏らしながら。

そんな時、ACT WITH店長からコメントが、

「XT Di2の特価品あるよ。11-46オススメ」

11Sにしてもなぁと思ったが、11-46のギヤ構成を見てみる。
こっ、これは!


青の15sはXTR-Di2トリプルのシンクロシフトのギヤ。カバーされるギヤ比の範囲やギヤの刻みで不満を感じたことはない。完璧なまでの理想形。

15sの2速と10s,11sの1速が同じギヤ比なので1つズラしてグラフ化した。10sは3速以後ギヤ比が大きく変化しながら下方向へずれてる。ここが大きな不満点。その辺りがちょうどアシストが切れる付近。荒いギヤ変化で前後が離れすぎで繋がらない。重すぎ、軽すぎでギヤが合わない。

それに対して11sは青ラインに近いカーブを描いてる。なんだこの魔法は、、、10sの9速分を11sの10速で刻んでるが重い方3つは同じギヤ比。実質は6速分の範囲を7速で刻むことで違いを出してる。そして最後の1速は大きめに軽い方にズラしてる。つまり10sより軽いギヤがある。ほぼ完璧。

軽い方の2枚が離れすぎでは?と考えがちだがE-Bikeは違う。その辺のギヤを使う時は低速。E-Bikeの世界では超低速と言っていい。脚力よりもアシストパワーの方が大きい領域。離れたギヤもアシストパワーで問題なくつながる。


そんなわけでXT Di2 11s化を決断。RD、SW、11-46のスプロケ、E-Tubeのケーブルなど一式をACT WITHから遠隔購入。全部在庫してるとこがさすがだ。


特価な上にオマケまでくれた。感謝!


さて、最初の戦い。

「STEPSでDi2は動かない」

正確には標準でDi2が装備されてない自転車のSTEPSでは動かない。TRS2は機械式10速、つまりこのSTEPSではDi2は動かない。

「動かぬなら動かしてみせようDi2」

IT系の趣味人を舐めんなよ。私が凄いわけではない。海外のエンジニア系の趣味人が凄い。凄すぎてその成果を使わせて頂くのもハイレベルを要求される。感謝して使わせて頂く。日本で実績作ってるACT WITHにも感謝!「出来るはず」と「出来てる例がある」ってのでは天と地の開きがある。

※注
動かないDi2を動かす方法はネットで調べてください。海外情報を探せば出てきます。情報探せない人が自分でできる作業じゃありません。複数情報を自分で読み解いて理解できることが最低条件。Di2のファームバージョンもシマノ都合でいつ変わるかも不明。いろいろと複合した条件にピリピリする必要あり。作業する時点での最新情報の収集と理解が重要。リスクが高くSTEPS潰れても保証外です。あとPCの知識もだいぶ必要。よく理解できないまま作業するモノではありません。

※注 2020.10.20
こういうイレギュラーな改造は自分でできないなら、「対応できるショップで購入し工賃払って改造を頼むもの」です。「他で購入して自分でやるから方法だけ教えてくれ」というのはNGです。「情報料払えばいいだろ?」って考えてる人もいそうですが、、、その程度に思うならネット検索してください。情報はネット上にいくらでもあります。

同じようにやって動かない場合があるから厄介なんです。元々イレギュラーなことをやるので判断基準がない。トラブル回避を含めて全てを自分でやるか、丸ごとショップに頼むかの2択です。

私は自分でやりました。それは「私のTRS2に付いてるE8080で実現する」という狭い世界。もっと言えば、PC環境やらいろんな面で私の環境。特定された狭い条件と環境で試行錯誤しました。教えて、と言われても教えようがありません。もうすでに半年以上前のことです。今では前提条件が変わってると思います。もう一度やるとなると情報収集からやり直しです。次がうまく動くとは限りません。

「うまく動かなかったらどうするつもりだったの?」と聞かれることもありますが、、、動くまでやります。少なくとも私はエンジニアです。ソフトウェア、ハードウェアの理屈はショップには負けません。徹底的に追求して動くまでやります。ただし、そこまで熱い思いをかけれるのは自分の自転車だけです。最悪、STEPSを潰してしまったら20万出してパーツ交換します。そのぐらいの覚悟がなければDIYで手を出すモノではないです(趣味なんだからそのぐらい当たり前に覚悟して遊ぼうよ、って思いますけど)

無理な人は対応できるショップを探してください。ACT WITH以外に存在するのかわからんけど。

私は単なる個人なので具体的に聞かれれば助言します。でも、上記のような感じなので現実問題として、「やってみたけど動きません」という相談は解決する策がありません。

Di2にこだわらなければ機械式11sの11-46でもギヤ性能は同じ。下で書いてるけどDi2化の最大のメリット(個人的に)である左シフトは使えません。結局のところ操作状態として機械式と同じ。私は趣味として徹底的に電気系にこだわるのでリスク負ってでもDi2化ですが、熱い思いがなければ機械式の方がいいでしょう。11-46にすれば恩恵は同じ。STEPSユニット外さなくていいから作業も楽。


格闘してDi2は動いた。情報戦は勝利。IT系人間としてはPC+キーボードでやる情報戦の方が楽。物理取り付けの方がすごく大変に感じる。


STEPSユニットはできるだけ周辺パーツ残したまま外す。どっちが手間かはビミョーだがクランク脱着とか苦手。隙間からシフトワイヤーを順番に抜いてく。この辺の正しい手順を知らないので悪戦苦闘。ワイヤー機材は好かん、、、

元のを外してしまえばあとは楽。E-Tubeのワイヤーは細くて柔らかく扱い簡単。おまけにSTEPSユニットにポートがある。二度と機械式は使いたくない。


腹立つのはこれ。こないだXTのブレーキに変えた。新しいブレーキはクランプ部分が内側に寄ってる。グリップとクランプの間にシフターが入らないといけない。形状的にも空間的にも入るように見える。同じXTランクのシフターだから入って当然。なのに微妙に干渉してどうやっても入らない。

もう意味がわからん。シマノはXTのブレーキとXTのDi2シフターを同時に使うことを想定せず設計したのか?しかも僅かな干渉。あまりにアホすぎて呆れる。レバーを最大長に調整すれば実用には耐えるが本来の位置よりは内側。なにより本来付けるべき空間が空いたままなのが虚しい。


そんなこんなで取り付け完了。やっぱり物理取り付けの方が手間だった。


ディスプレイにはシフト位置が表示される。左シフトSWも付けた。ほんとはシフトとして使うつもりだった。左右両方とも同じシフトってのはRZ120時代からやってた。右手にカメラ持ってる時に左手でシフトできるので重宝してた。機械式ではマネできないDi2ならでは恩恵。

が!ここでもシマノが変な制限かけてる。左シフトSWはアシストモード切り替えにしか割り当てれない。あのなー左シフトして何の問題があるんだよ!さすがにこれをハックしてる人はいない。仕方ないのでアシストモード切り替えとして使う。操作フィーリングはいいが、ほどんとHIGHしか使わんからなぁ、、、


元のアシストモード切り替えのSW外したのでポート1つ余った。全ポート埋まる予定だったのに。


ディレーラーの微調整はこれから。刻みはモーターなので正確。11-46のスプロケも素晴らしい。


チェーンとチェーンリングはそのまま使ってる。「そのままでいける」って言われたので深く考えずに10s用のまま。公式には互換性ないはずだが問題なく動いてる。チェーン銘柄的に実力値でOKってことらしい。こういう判断は素人じゃ無理なんで本職の助言がありがたい。

ここを厳密にやりだすと11s対応のチェーンリングを入手しないといけない。パンドラの箱を開けることになる。実力値で使えるならそっとしときたい。


実走してみたが、11-46の効果は素晴らしい。アシスト切れ付近のギヤが無理なくつながる。XTR-Di2トリプルに比べると刻みが若干甘い感はあるが問題ない範囲。重すぎ軽すぎでギヤ合わない感じは無くなった。シフト感は当然ながらXTR-Di2と同じ。何年もXTR-Di2使ってきてるから感動は薄い。やっと当たり前に戻った感。贅沢の極みだな(^^;

46T効果もすごい。もうこれ以上軽いギヤはいらない。あとは走行テクニックの問題。COHO XC付きでもグリップ確保できれば激坂トレイルを登れると思う。バッテリー切れ時のエマージェンシーギヤとしてもワンランク上がった。舗装路なら峠越えて帰還は可能。

ただし!Di2を動かしてるのは本体バッテリー。それを統括するSTEPSシステム自体も本体バッテリーで動いてる。走行用の出力はシステム分を残して先に終わる仕組みになっているが、その後にライト使った人力での長時間走行をすると残量も使い切ってしまう可能性がある。使い切るとSTEPSはダウンしギヤも動かなくなる。そのリスクと仕組みはよく理解しておかないと非常時にハマる。

STEPSの制御説明ではライト出力ONの状態だとバッテリー切れ判断が早めに実行されることになってる。バッテリー切れ後に人力でライト使って走ることを想定してるっぽい。バッテリーが空になるまで使うシーンでは残量減った段階でライトON設定にしとく方がよさそう。

うちはUSB使ってるからSTEPSのライト出力は常時ON。実際のライトON,OFFは物理スイッチでやってる。バッテリー切れ判断は早めに実行されるのでちょっと安全。

非常時を考えてUSBもON,OFFスイッチ作るか、、、バッテリー切れ後は残った電力をどこに使うか自分で制御できる方がよさそう。極限状態だとアポロ13みたいな世界になっちまうな。


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