剣山スーパー林道アタック
2025年 11月 02日
今日は大阪の知り合いが来てるので剣山スーパー林道の西側区間を制覇する冒険アタックをやる。ダート60kmでそこから舗装で戻ってくるのが60km、獲得標高3000mオーバー。環境的にも距離的にも気を抜くと遭難しかねないルートなので2人だと心強い。人力MTBでは体力的にも時間的にも走破は不可能、E-MTBでもバッテリーを複数本準備してなんとか1日枠のアドベンシャーサイクリングとして成立する。そんなルート。
今使ってる4つめのE8080はこないだE01022が出た。BESVにログを渡してシマノに連絡してもらったが、シマノは電源再投入で復帰するE01022は正常扱いの判断に変えたようで、E010から復帰しなくなるまでは対応しないとのこと。前兆のエラー出ても無視する方針ってコンプライアンス的にどーなの?
仕方ないので完全に壊れるまで使い続けるしかないのだが、そーなると壊れるのは走ってる時、つまり出先。山方向へ行く時はマジで遭難リスク高いので万が一の時にどう動くかシビアに想定しておく必要がある。地図で見ればわかるが、林道ダート以前にこの辺に入り込んでいる時点でリスク高い。
そんな位置からさらに60kmものダート区間に入るので、E010が復帰しなくなると即座に遭難状態。人力のみで動ける範囲は限られる。助けを呼ぼうにも携帯電波はなくロードサービスも対象外。知り合いを呼ぼうにも入り込める車も限られる。数十キロ単位で移動しても限界集落があるだけ。自販機すらまったくない。四国の山奥はそんな環境なのである。
途中で復帰しないE010になった時にどう生還するか何パターンも想定して考えておかないと命にかかわる。なんで日本仕様はこんなクズユニットしかないのか?さっさとEP8に移行しろよ。
スタート地点は標高1000m、気温7℃ぐらい。空は曇って冬装備でも薄ら寒い。紅葉具合は良さそうなのだが見栄え悪くて残念。
60kmのロングダートでFOX38の効果とCOHO XC床下の自作バッテリーケースの耐久性を実験する。スペアバッテリーは2本搭載。本体装着と合わせて3本体制。去年同じルートを走った時は3本体制で1メモリ余ったので、これで足りる前提だったのだが、今回は想定が甘かった。走行時間帯が違うことをいい加減に考えてたのでハマることになる、、、
同行者は自作ポータブル電源で走行中に使ったスペアバッテリーを充電する実験。振動の激しいダート走行で成立するのか?それ以前にこの重量でちゃんと走れるのか?いろいろと無茶である。今回はテストなのでスペアは2本用意。3本体制なのでポタ電からの充電は余裕分のおまけ。
余裕のバッテリー容量のはずがスタート直前に問題発覚。同行者のバッテリー3本中の2本が充電忘れてたようでほぼ空。テスト充電の予定だったのにいきなり失敗できない走行充電の実戦投入。充電失敗するとバッテリー足らん。果たして帰ってこれるのか?
なんだかんだで遅くなった。さっさと出発。
R193の雲早トンネル付近は紅葉はまだまだ。
スーパー林道の西側区間の入り口。ここから60kmのダートが続く。
ダートに入ると紅葉はまずまず。ここからファガスの森→徳島のヘソ→高城山登山口の最高高度地点まではひたすら登り。
いい色になってるとこもポツポツと。太陽出ないのが残念。
やっぱここは別格。曇っていても雰囲気は最高。ダートはフラットで走りやすい。
ファガスの森。まだ開店時間前だけど車やバイク多数。ちょっとトイレに寄ってすぐに再出発。予定よりだいぶ遅れてるので先を急ぐ。スタート地点に戻ってくるのは最初から日没後を想定してるが昼飯ポイントへの到着が遅くなるのは都合悪い。まー、この時点での遅れが後でいろいろと想定外を呼び込むことになるのだが、、、
気温は7℃ぐらいのまま。日中の気温が上がるペースと標高が上がって気温が下がるペースが釣り合って走ってる場所の気温は変わらず、って感じ。
徳島のヘソ。
雲が濃くて空が重い。予報では昼前ぐらいから太陽出る感じだったのだが、これではダメっぽい感じ。
最高標高地点。1500mちょっと。ここから風の広場まで豪快な下り。FOX38はこの環境下でもめっちゃ走りやすい。荷物入りCOHO XCを牽いた状態でもフツーに飛ばせる。バッテリーボックスも結構な段差を高速で突っ切っても接触なし。たまーに飛び石が当たったような音が聞こえる時があったが損傷なし。次回作るときはケース前方に飛び石を逃すガードを追加したいな。
風の広場でチョイ休憩。やっぱり寒い。この時期は太陽出てくれないと寒くてゆっくり滞在する気にならんなー。イス出してコーヒーを想定してたが時間足りてないので断念。
予定時間より遅れてるので先へ。
紅葉具合がめっちゃ綺麗。今年のスーパー林道は紅葉タイミングはベストタイミングだった。
このエスケープルートは封鎖中。
剣山リフトがあると思ってここまで来る人いるんだろうか?どーにもならないぐらい致命的だと思うのだが。
曇っていても紅葉サイコー。そしてダートはひたすら続く。
残1メモリを残して早めのバッテリー交換。COHO XCが暴れまくるような爆速下りをやりまくってもバッテリーボックスは問題なし。そして床下積載の低重心化で2本積んでるとは思えない走行安定性。狙い通りである。
小腹が減ったので非常食のパンを早くも消費。エネルギー消費多いので食い物は多めに持っておく必要あり。
ドクターヘリ用のヘリポート。ヘリじゃないとここへ来るまでに数時間かかる。そんな場所なので気を抜かないように。
それにしてもすごい場所だ。どっちを見てもこんな景色。山をいくつか越えないとマトモな場所には出られない。スーパー林道が幅広くて綺麗なダートなので凄い山奥にいることを忘れてしまいがちだが、気を抜かず水と食い物は必ず持って入ること。甘く考えると命にかかわる。
一瞬だけビミョーに太陽光が出たので紅葉がいい色になった。
山から水流れてるとこ多数なのでタイヤの泥ハネでCOHO XCはドロドロ。雨じゃなくても防水バッグは必須。
充電対象のバッテリーを変更など。ポタ電とバッテリーの接続は激しく走っても外れないようだが、BESV充電器の電源ケーブルの差し込みが振動で外れやすいようだ。差し込み系は全てにおいて抜けないようにする対策がいるな。
あっ!バイクが落ちてる。木で引っかかって運が良かった感じ。ちょっと落ちる位置がズレてたら大変なことに、、、乗ってた人はいないようだ。目標っぽくリュック吊るしてるから引き上げの手配をしに行ったのか?この時間帯ならクロカン系の車がポツポツ通ってるから乗せてもらって移動した可能性が高いか。剣山スーパー林道に来ると何かあるな。
山肌がガッツリと紅葉。そろそろ太陽出てもよさそうなのだが薄曇りが続く。
路面は基本的にフラットダート。でもジャリっぽい小石がグズグズと滑るのでオーバースピードは禁物。とは言ってもFOX38の調子がいいので下りはすっ飛ばしてしまうのだが。
ちょっと太陽出た。やっぱ太陽光あると紅葉が素晴らしい。
パリッとした絵。この一瞬だけ。
やっと最後の分岐ポイントまできた。
昼ごはん予定の山の家まであと4km。だけど、ここから4kmはずっと登り。しかも傾斜きつい。E-MTBでも修行である。
黙々と登って見えた!
オフバイクがどっさり。写真からは伝わらんが風が冷たくてめっちゃさぶい。この辺も標高1500mぐらいあるようだ。
さて昼ごはん、と思ったら食料切れで閉店!?そんなー
仕方ないので、つなぎにおやつに持ってきたバームクーヘンを食べて高の瀬峡のレストハウスへ向かう。ここから先は15kmぐらい続く豪快なダート下りなのでどーにかなる。一気にスーパー林道の終点近くまで下る。
おなじみの警告看板。車高の高い4WDのみ通行可能。なんちゃってSUVでも通れないことはないがタイヤはゴツいオールてレーンにしてた方がよい。
こっち側もいい色になってる。
気温は7℃。今日はずっとこんな気温。太陽出ないから基本的に寒い。
延々と続くダートをぶっ飛ばす。FOX38はこういうシーンでもいい仕事してくれる。一時的に荒れてるとこや滑りやすいコーナーでもメッチャ安定。荷物入りCOHO XCを牽いてるのに結構な速度で下れる。
全開ですっ飛んでるのに紅葉を撮るためにフルブレーキングで止まる。まー仕方ない。ダート下りの最後の方でオフバイク集団と一緒になった。緩い傾斜部分で追いつかれて半分ぐらいに抜かれたけど、そこから傾斜きつくなったんで抜かれたオフバイクと同じハイペースでガンガン下る。しばらく集団でランデブー。おもしれー。
舗装路になった。もうすぐ終点。
高の瀬レストハウスに着いたが、まさかの早仕舞い?まだ15時なのに終了してる。16時まで営業じゃないのか?
どーにもならんので先へ進む。とりあえず剣山スーパー林道の終点で記念写真。この先に未来コンビニってのがあるので、そこでなんか食べるモノ買うことにする。
未来コンビニ着。
ここが大当たり。カフェスペースでマトモなモノを食べれるようだ。これはありがたい。
カフェというかイートインスペースみたいな感じ。電源も用意されてる。同行者はバッテリー残量足りないの感じなのでここで補充電。実はこっちも残量足りないのだがこの時点では気づいてない、、、
おしゃれな建物だけどコンビニとしての商品もちゃんと売ってる。普通の場所にあるならふーん、って程度だが、ここは過疎の山奥。周辺環境からは想像できない奇跡のオアシスみたいな存在。
未来カレーとゆずのジュースで超遅い昼ごはん。おやつ時間も過ぎて晩ご飯に限りなく近づいてるが、、、。充電時間を確保するためにのんびり滞在。おかしなどを買い足してグダグダとイートインに居座る。
1時間後によーやく離脱。
最後のバッテリーに交換しておく。ここから1本でスタート地点へ帰れる想定。なのだが、それは昼間の話。これから日没になることを甘く考えていた。寒さをカバーするグリップヒーターとライトON走行(しかもハイビーム)の消費電力をテキトーに考えていたのが後で響く、、、
山間部は空が狭い。もうほとんど夜。
ライトONで出発。
こんな道が延々と続く。ほんとに何もない真っ暗な道。車も1台も出会わない。ずっとハイビーム走行が続く。四国の山奥を舐めたらいかん。気を抜くと舗装路で遭難する。
何十キロも走ってよーやく自販機を発見。ホットコーヒーで一休み。
車が通らないタイムトンネルのような長いトンネルを抜ける。
暗闇の中でバッテリー交換作業。山間なのでライトの届かない前後は完全に真っ暗。この辺からこっちのバッテリー残量にちょっと不安を感じ始める。念の為にグリップヒーターを切る。使った2本のバッテリーは残1メモリで温存してるから、それを使えば足りるだろ、と思っていたのだが、、、
小さなダム?水力発電かな?ライトで照らされてる。周囲が真っ暗すぎてここだけ明るいのも不気味。
今崩れました、って感じの土砂崩れ。この辺の道を通るのは命懸けである。
恐怖の素掘りトンネル。中のヤバイとこがコンクリで補修されていた。でも、やっぱり中はポツポツと雨が降っている。
やっと西側区間の入り口まで戻ってきた。あと少しなのだが、ここからもかなり極悪な傾斜の登り。そしてここへきて無常にもバッテリーが終わった。残1メモリ表示のが2本あるので交換して進むが、東区間に入る直前でその2本とも使い尽くして終了、、、
車止めてるとこまでのダート区間を根性で乗って走るが傾斜きつくなるとムリ。軽いギヤがないのでどーにならず押して登る。あとちょっとのとこまで持っただけマシか。
汗だくでよーやく車に着いた。もうボロボロである。昼間なら十分にバッテリー足りてたが、夕方からのグリップヒーターとライト(ほぼハイビーム)が効いた。計算すると150Whぐらい余分に消費してる。そりゃー足りなくもなるわな。ナイトランを甘く考えていたのが大失敗。ライトとグリップヒーターは外部電源を用意すべきだった。
そしてEバイクはバッテリー切らしちゃイカンってことを再認識。山岳路ではあとちょっとでバッテリー切れても体力的にも時間的にもダメージはとてつもなく大きい。絶対にバッテリー切れしない想定にしておくことが大事。足りる前提だったので充電器積んでなかったのも敗因。充電器あったら未来コンビニで補充電したら余裕で持ったのに。いろいろと想定が甘過ぎた。
というわけで、剣山スーパー林道の西側区間を走破完了(Strava計測で走行120km、獲得3425m)。もう夜9時過ぎてる。寒いのでさっさと撤収して帰還。
翌日。COHO XCの裏を見るとドロはねが不思議な位置に。どーやらTRS2AMの後輪が跳ねた泥水がこの位置にかかるようだ。バッテリーボックスが受け止めるような状態になってるのがよろしくない。COHOのスタンド前方に小さなドロ避け作れば止まるかな?また改良しよ。
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