トップ > 自転車の話 > Cannondale RZ120 > 2019 王滝SDA【5月】100km |
2018.6.8〜9
本来のルートを走れることを願って今年も王滝SDAにエントリー(2017、2018の王滝SDAレポ)。 決心が崩れないようにエントリー開始と同時に申し込んだ。 もちろん100kmコース。懲りずに勇者を目指す。 正直、王滝SDAの100kmに出るだけの実力はない。 そこそこ乗ってはいるものの基本的にポタリング。 ここ2年の走行の半分はPSA1。 高負荷で走る能力はとっても低い。 普通は王滝に向けてトレーニング走りする。 私は逆、 「王滝が年1回の超ハードトレーニング」 本命は普段のポタリング。 王滝で絶景見つつ鍛えてポタリングの為の体力作りをする。 単なるトレーニングなんか大嫌い。そんな時間あるならポタしたい。 そんなスタンスなので余裕なんてカケラもない。 実力以上で走っても時間制限をクリアできるか怪しい。 でも、それも楽しみの一つ。 やる前から結果が読めるモノは飽きる。 王滝100kmは3回目でもまったく読めない。 人間側の条件悪いので自転車と装備は入念に(準備編はこっち) 王滝SDAでの体験はまさに特別。 信じられない景色と環境。 出場して走らなければ一生経験することができない超がつく非日常。 完走を目指さないと全ルートの景色を見ることはできない。 おまけに災害で毎年コース変わるのでフルコース見ること自体が難しい。 私ぐらいの能力では完走するには全てにおいてギリギリを要求される。 体力なんかまったく足りない。気力と精神力も使い果たす。 その代わり得られるものは大きい。 極限状態の中での判断、ギリギリのリスク管理、ものすごい景色。 その状況下であえて止まって撮る写真。 どれも王滝100kmに出なければ体験できない。 まさにプライスレス。 迷ってる人は、無理を承知で100kmに出るのがおすすめ。 42kmではなく絶対に100km! 途中タイムアウトになったとしても満足感と得られるものが違う。 土曜日の早朝に出発。 前回の反省から少し荷物を減らした。 自転車の乗せ方も微妙に変えた。 過剰装備は走った後の片付けに響く。 余計な体力なんか残らないので限りなく楽できる構成が大事。 道中の天気は不安定。 晴れ→雨→晴れと目まぐるしく変わる。 高速降りる直前の恵那峡SAで昼ごはん。 飛騨牛の肉まんも食べたのでお腹パンパン。 早々にお土産も買っておく。 王滝走行後に買い物する気力はたぶんない、、、 高速降りてからも天気は不安定。 土砂降りと晴れを繰り返す。 王滝村付近は晴れ。 賭けに勝った感。 御岳湖の水の色がすごくいい色。 背後に雲の切れ目から御嶽山がチラリ。 いいねぇー、はるばる来た甲斐がある。 会場到着! やっぱ500kmの移動は堪える。 受付してのんびりしよ、と思ってたが、、、 駐車エリアに入った早々にACT店長に発見される。 「山中選手とのファンライド行きましょう。10分後ね」 え!?なんの話? まだ受付もしとらんし。 わけわからんままダッシュで受付。 戻ったら自転車降ろされてタイヤ付いてた、、、 強制参加である。 Tシャツ&半ズボンそのままにヘルメットとグローブ付けてアタフタと集合場所へ。 カメラバッグも準備する時間なし。 かろうじてM100をハンドルバッグに突っ込む。 山中選手のアテンドでゆっくりと山を登ってく。 少し走るだけのようだが王滝基準の少しは信用ならんな... 本来はGTオーナー向けのイベントらしい(RITEWAYの企画だったようだ) キャノンデールで混ざっていいのか? すごく大雑把な感じではあるが、、、 放し飼いのでっかい犬に吠えられる。 牧場の番犬のようだ。 襲われたらたぶん負ける。 ほどなくして道はダートに。 緑豊かな極上のダブルトラック。 時々休憩して山中選手と雑談。 なんとも贅沢なライド。 でも、すでに足パンパンなんだが、、、 標高が1350mになってる。会場から450mは上がったぞ。 前日にこんなに足使っていいのか? この辺から折り返し。 登ったとこを下って会場に戻る。 ダート下りの感触を思い出すには程良かった。 が!トラブル発生。 下りたらDi2が動かなくなった。 どっかE-TUBEが抜けたっぽい。 舗装路を重いギヤのまま帰る。 会場戻ったらお土産もらった。 じゃんけん勝って帽子も。 感謝! 駐車場に戻ったら、このサイト見て連絡くれてた広島の人と遭遇。 42kmに出てたけど私の王滝レポ見て100kmに初挑戦。 お土産までもらってしまった。 今日はもらってばかりだ。 さて、Di2を直す。 バッテリー根元のE-TUBEが抜けてるっぽい。 リアサスの動きをカバーできるように線に余裕もたしてるけど、その余裕部分に枝か石が当たって引っ張ったらしい。本番で発生するとシャレにならんのでテープ固定でダブつきを減らしとく。 ACTチームを覗く。 今回は総勢19人。もはや最大グループでは、、、 ACT店長の補給食はさらにクオリティアップ。 4色の色分けが綺麗。 美しさは大事。 養生テープがナイス。ガムテでは色悪い。 日暮れ前にゼッケン付けて明日の準備完了。 残念ながら天気予報は悪化方向。 明日の昼ぐらいから雨か。 コース説明聞く余力なかったけど本来のコースとは違うようだ。 去年と同じかな?と思ってたが前半は本来のルートが中心で後半はだいぶ違うっぽい。 晩御飯は鍋にまぜてもらう。 王滝でしか合わない人とグダグダ話しして楽しいひと時。 腹もパンパン。 寝る前にお約束の星空撮影。 月が出てるのでチト条件悪い。 それでも星はどっさり。 3回連続で星空見れてるのは凄い幸運だと思う。 明日が少しでも天気いいこと願いつつ寝る。 翌朝4時に起床。 着替えて外出るときっちり曇り。 山に漂う雲海が絵になる。 気温は10℃。 湿度高いからか寒く感じない。 カップラーメンで朝ごはん。 後半は雨確定なので6DMk2は断念。 マトモな写真はM100に頼る。 ヒップバッグには代わりにレインウェアを入れる。 王滝村の予想気温が10〜20℃。 標高上がると下がるので実際は10〜15℃ぐらいの湿度高めの中を走る。 最初は気温上昇が標高での気温低下で相殺されて10℃付近が続くはず。 ウェアは下はジオライン薄手タイツ+夏用ビブ。 靴下は冬用の防水タイプ(靴がすぐにビショで染み込むので)。 上はジオライン中厚に半袖ジャージ、指切りグローブ。 スタート時だけペラペラウインドブレーカー追加。 100kmのスタート場所はMTBずらずら。 今回はちょっと早く置いたので真ん中あたり。 制限ギリギリで走る身としては「ちょっと」が効く。 本気の人らに混ざると危ないので真ん中ぐらいがベター。 ファットな人いるなぁ。 これで登れるのが凄い。 6時にスタート。 地獄のサバイバルトレーニングの始まりである。 さて生還できるのか、、、 会場からしばらくは舗装路。 寒い感じだったのは最初だけ、少し登り基調になると暑い。 ウインドブレーカーはスタート前に脱いどくべきだった。 ダートに入ると渋滞。 でもすぐに解消してバラけた。 暑すぎるので止まってウインドブレーカー脱ぐ。 なんとE-MTBで出てる人がいた! メリダのeONE.SIXTY800。 E-Bikeとしての出場は禁止なのでバッテリー外してる。 アシストされないE-Bike、重たいMTB、、、 さすが王滝100km、いろんな人がいる。 ここでは常識は通用しない。 ひたすら登る。 路面は濡れてて走行抵抗高い。 ペース上がらず嫌な感じ。 やっと10km。 果てしない。 ひたすらひたすら登る。 走行負荷が高いからか登ってる段階からビミョーに腰痛い。 今回はこれが大きな誤算。 長い下りの後半は腰痛くなるけど登りでやられるとは思わんかった。 しょぼい登坂能力がさらに低下。 そして下り。 遠慮なくぶっ飛ばす。 今回は登りが遅すぎる感じ。 下りで縮めないと制限間に合わない。 あまり頑張りすぎると腰痛くなるので体制を加減しつつハイスピードで。 20km地点通過。 我慢の登りが続く。 ギヤは一番軽いやつ。 さすがに遅すぎるがどーしようもない。 乾いてる時と進み具合が違う。 落石注意の看板が落石にやられ気味。 ホントに落石ありそうな雰囲気がプンプン。 断続的に押し登り。 下りでは雲海の中に突っ込む。 まったく凄い環境だ。 御嶽山は見えないが、これはこれで凄い絵。 見るためには悪天候の王滝SDAに出るしかない。 天気悪いと出走を断念する人多いので見たことある人は少ないはず。 プライスレスである。 ドロドロのガレガレ。 走行抵抗高くて辛い、、、 CP1へ向かって下りをすっ飛ばす。 湿った路面は意外とグリップいい。 下りに限れば乾燥路より走りやすい。 泥人形になるけど。 CP1到着。 制限まで15分。 やばい予感。たぶんCP2がシビア。 給水してすぐ出発。 ペース上がらず。 乗っても押しても速度変わらず。 曇り空へ向かってひたすら登る。 視界がひらけてきた。 そろそろ下りになるはず。 そして待望の下り。 カッ飛んでいくACT店長を追いかける。 調整池付近。 登りと下りしかない王滝で唯一平坦っぽい場所。 緑が美しいダブルトラックだが今日は路面がべちゃべちゃ。 天気悪くても素晴らしい景色は健在。 走行中にチラチラしか見えない。 今日は止まって撮る時間余裕なし。 補給にゼリーと魚肉ソーセージをモグモグ。 疲れてても食べれる固形物としてオススメ。 ここまで1時間毎に補給してる。 そのぐらいの間隔で大丈夫な感じ。 気温は12℃ぐらい。 数字的には冬だけど適温で快適。 雨も超小雨っぽいのが少しあっただけ。 ギリギリ曇りで耐えてくれてる。 食ったら出発。 時間ないけど一瞬だけ止まってパチリ。 今回のペースだと6DMk2持っててもまったく撮れんな。 カメラ出す時間すらない。 それ以前に止まることすらままならない。 いつもM100をボロカスに言ってるけどこういう条件下ではいい仕事してくれる。 同じことができる他のカメラはほぼない。 ついでに言えばもし突然の豪雨で潰れても金銭的なダメージも少ない。 GR3購入を検討してるけど濡れるリスクのある状況下では恐ろしくて使えん。 50km地点通過。 やっと半分、ここからが正念場。 そしてほんの少しだけ舗装路。 石ゴロゴロの荒れ狂った道、 今にも崩れてきそうな山肌の横を黙々と登る。 しっとりした緑も悪くない。 登りは微速前進、周りを見る時間はたっぷりある。 補給しつつひたすら登る。 空は曇りだけど一時的に日差しが出た。 山の中に一人ぼっち。 ほとんど精神修行の世界。 行けども行けどもCP2が出てこない。 これだけ頑張ってるんだから間に合うと思いたい。 制限時間は確認してない。 確認しても同じ。これ以上は速く進めない。 すでに限界を超えてる。 もはやダメかと思った頃に出た! よっしゃー!CP2入った! 5分前、ほぼ余裕なし。 問題はここから先。 CP3への区間は下ったあとに登りがある。 初めての構成なので必要な時間感覚がわからん。 制限1時間、給水してスタッフに間に合いそうか聞いたら、 「足を使えば大丈夫です」 ・・・この段階であるかそんなもん! 誰かが「こんなとこで終わらんぞー!」と叫んでる。 もはや気力と精神力。 諦めたら間に合わない。 いくぜ最後の難関。 序盤の長い下りをフルスピードで攻める。 視界に入る参加者は全部パス。 追い越す手前から荒れたライン走ってできるだけ減速せずにパス。 ここで時間縮めないと間に合わない。 後半腰が痛くなるけど我慢。 悪条件下での限界ブレーキングを正確&安定に支えてくれたXTRに感謝。 フィン付きパッドはこういう時に素晴らしい。 長い下りの後半でも感触同じ。 下り終了。 舗装路に出て登りに変わる。 緑が美しい道。 緩めの登りだけど終わった足には辛い。 舗装路なので少しマシだがマトモに登れない。 リアサスをロックして立ち漕ぎ入れてごまかしつつ登る。 ダートの登りだったら間に合わなかったかも。 下りで抜いてきた人らに着々と追い越される。 皆んな登り速いなぁ。 この時点でその脚力残ってるって理解不能。 これが実力の差か、、、 かろうじて乗ってるが押しても速度変わらんぐらい。 舗装路だと走行抵抗小さいので乗ってる方が微妙に楽。 ギリギリで乗ってる状態が続く。 トリプルXTRの超軽いギヤの恩恵。 キター!もうすぐ関門。 でも、これを信じたら心が折れる。 もうすぐではない。 王滝基準ではしばらく先。 我慢の登り。 そしてCP3! 間に合った。 もはやボロボロ。 給水して補給。 頭回らないのにGoProトラブってしばしもがく。 そうこうしてると雨がバラバラ。 いよいよ本降りが来たか。 レインコート出すと時間ロス大きいので一旦ウインドブレーカー着て出発。 最後の区間だけなら持つだろって判断。 本降りの中を登る。 スタッフが登り3.5kmって言ってた。 ピークまで登ったらゴールまで下りだけ。 下りを考えると時間的には余裕あるはず。 乗ったり押したりジワジワ進む。 テントとスタッフが見えて地形的に下りっぽいのが見える。 やったー、やっと下り。 と思ったら!コース指示は左で登ってる、、、 さすが王滝、心の折り方を心得てる。 ほんと、精神的に鍛えられる。 雨の中の荒れた登りを一人ぼっちでジリジリ進む。 悟りを開いてしまいそうだ。 もう周りに高い山ないぞ。 標高は1500m超えてる。 CP3から3.5km以上走ってるし。 いったいどこから下りなんだよ。 さまよってる遭難者状態だ。 ヨロヨロと進んでたら後ろから聞き覚えのある声が! ACT店長が追いついてきた! CP2を制限2分前に突破したようだ。 再会を喜びあって休憩して補給。 休憩中に何人か通過した後に最後尾追い立て軽トラが来た。 ACT店長がCP2から連れて来たやつらしい(笑)。 見事に最後尾。 ちょっと控えめに離れて追い立ててくる。 もはや乗って登る気力がないので押し歩き。 みんな同じ状況で位置が近い。 というかとっくに下りになるはずなのに。 下りはどこだ! そして待望の下り。 あとはゴールまでまっしぐら。 視界に入る参加者を全部抜いてく。 下りが長いので途中で腰痛くなって少しペースダウン。 ACT店長はカッ飛んで見えなくなった。 そして長い長い下りを抜けてゴール。 9時間29分57秒。 なんとか勇者になれた。 これまでで最も過酷だった。 また雨が強くなってきた。 さっさと会場へ戻る。 そっけない矢印の方向に自走で帰るのが王滝標準。 見事な土砂降り。 もうヤケクソである。 自転車の泥落としにちょうどいい。 泥人形だった人間も土砂降りシャワーで綺麗になった。 会場戻っても土砂降りは続く。 もはやベショベショ。 これ、どーやって車に片付けるか、、、 ACT店長に言われて帰り際にダメ元で豚汁見に行ったらまだあったー! というかこの時間なのに超大量にある(笑) 雨降ってるから寄らない人が多かったのか? 生き返る〜! ざんざん降りの中、おかわり。 寒くは感じてなかったけど雨で体冷えてたんだろな。 温かい豚汁が最高にウマかった! 土砂降りで豚汁テント横では水が筋になって流れてる。 雨は弱まるどころか強くなってる感じ。 駐車場も地獄絵図、、、 泥水の海で歩く場所がない。 べちょべちょの無茶苦茶のまま強引に自転車積んだ。 着替えも不可能なのでずぶ濡れのまま会場離脱して温泉へ。 会場内の道も川のように水が流れてる。 最後の最後まで過酷。 今回の王滝SDAは参加した3回の中で一番過酷だった。 路面状況と天候の少しの悪条件が加わると全力で頑張ってるのに制限間に合わなくなる。 完走できたのは奇跡に近い。 なにかワンミスしてたらタイムアウトだった。 前回と同じ感じで止まって写真撮ってたら間に合わなかった。 すごいシビアさ。 まー実力なさすぎるのが大きな要因だが、、、 来年はE-Bikeカテゴリ追加して欲しいな。 根本的に体力の限界を感じる。 順位関係なしでもう少し余裕もって100kmコースを楽しみたい。 そもそもE-Bikeで走っても十分に過酷だと思う。 人力では極限超えてる... ダメならまたRZ120で出るんだろうけど、、、 来年は晴天であることを願いたい(^^) 2019.6.12 追記 … 走行後のRZ120 トラブルなく頑張ってくれたRZ120。 最後の土砂降り走行でだいぶ綺麗になったがそれでも泥まみれ。 隙間という隙間に泥が入り込んでる。 キッチリ整備してチェーンオイルでトプトプにしてたのに後半油切れ。 砂も噛んでジャリジャリ&ゴリゴリ。 鉄の部分はすでにサビだらけ。 雨天時は途中で追加注油がいる。 XTR-Di2は優秀だった。 悪条件下で10時間近く泥水浴びても正確にシンクロシフト。 フロントトリプルなのにチェーン落ち一切なし。 ブレーキにもかなり助けられた。 長い下りを攻め続けると真価を発揮する。 ダレることなく最後まで同じ感触で正確なストッピングパワーを発生してくれた。 これも砂噛んでジャリジャリ。 パッドはごっそり減った。 新品スタートで正解だった。 ハードなブレーキングしまくりで尖った石もガンガン踏んだけどタイヤにダメージなし。 路面湿ってるとタイヤへの影響は少ないようだ。 前回に続いてポタリング仕様のまま王滝対応可能ってことを再確認した感じ。 空気圧2.0kに下げた以外は普段と変わらずで問題なし(^^) 2019.6.18 追記 王滝SDAの「動画」を公開 |
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2019 王滝SDA【5月】100km
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